若者のことばが乱れている、とよく耳にしますが、ことばが乱れてきているのは若い人ばかりではありません。現代の人、と言い改めたほうがいいかと思います。私たちより上の年代で、それまであまりことばの使いかたについて警鐘を鳴らされなかったであろう人たちも、このごろは会話のはしばしが気にかかるようになってきている気がします。私の職場でもそういったものがたびたび出てくる始末でして、ら抜きや「させていただきます」はとっくに市民権を得ているし、「すごく」のかわりに「すごい」を使ったりとか本当に多くなっています。で、どういうわけか現在社内最年少の私がそれを横耳で聞いていて(?)なんだかなあと思っていたりする状況だったり。世代をこえてあたらしいことばづかいが蔓延している背景には、やはりマスメディアの影響というものがあげられるでしょう。まずね、テレビタレントのしゃべりかたが変わってきてますもん。中高年のタレントもしかり。それから、いったんあたらしいことばが流行しだすと、それに乗っからないと流行遅れだと思われる、というふうにみなさん感じているところがあるかもしれません。“正しい日本語を使っていると白い目で見られ”るわけです。まあ、よく言えばジェネレーション間の垣根が低くなっているってことなんでしょうけれど、私はむしろある程度のギャップは保たれるべきだと思っていまして。若者というのはいつの時代も「近ごろの若いもんは…」と上の世代から言われるのが世の常なわけです。今の時代も例外ではありません。たとえそれが若くてあたらしい考えかたを受け入れられない頑固おやじの主張だったとしても、年長者が若者に自分たちの考えを教え諭し、生きかたを語り聞かせる、こういった社会の構図はなくなってほしくないものだと思います。
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