「おのれ~」と「おのえ~」をかけている

2004/05/27

むかしのひび

どうも、日本に潜伏していたテロ組織の幹部と連絡を取りあっていたondです。<そういう不謹慎なこと書くなよ! きょうはくじの話。私はくじや賭けごとのたぐいには手を出していません。そういう場面でお金が動くのを見たくないという気分の問題がひとつです。馬券やtotoだったら、すきな競走馬やサッカーチームを応援したいっていう気持ちもふくまれているでしょうから、まだいいと思うんですけれど。
それと、確率なんかを計算してみるとどうにも割にあわない気がして。…なんつーか、むだに勉強ができるってつまんないですね。まあそれはさておき、先日も、ロト6で4等が当たって1万円ちょっともらったって人がいて。1口200円だから50倍くらいの配当だったってことになりますよね。話によると4等の賞金は1万円前後が相場らしく、私は6個の数から4個を当てるなんてもっとむずかしいように感じたので、それで1万円ってどうなんだろうと思って。そんなわけでちょっと計算してみます。題してondのすうがくどうじょうー。(BGM:お笑いマンガ道場

ロト6は43個の数から6個をえらび、抽選できまる数と的中させるくじです。43個の異なる要素から6個をえらぶ組み合わせの数は
C(43,6) = 6096454 通り
です。このすべてのパターンが1口ずつ買われたとき、売り上げ総額は
6096454 * 200 = 1,219,290,800 円
になります。このうち、当選金にあてられる割合を45%とします。たしかジャンボ宝くじの割合がそれくらいだったような気がしたので(超うろ覚え)、同じ値にしておきましょう。そうすると、
1219290800 * 0.45 = 548,680,860 円
が当選金の総額になります。あとはこれを分配していくのですが、ロト6の場合、まず5等のケースを先に考えなければなりません。5等は6個中3個的中で、賞金は1000円固定ですから、まず5等の分の当選金を確保しておく必要があります(たぶん)。5等が当たる組み合わせの数は
C(6,3) * C(37,3) = 20 * 7770 = 155400 通り
ですから、当選金の総額から5等の配分を引いた残額は
548680860 - 155400 * 1000 = 393,280,860 円
となります。これを1等から4等まで配分するのですが、その割合が公表されていないようなので、単純に4等分すると考えます。反対に等分でないとすると、当たった等級によって賞金の期待値に不公平が出てしまいますので。したがって、
393280860 / 4 = 98,320,215 円
が4等への配分です。この金額を4等の当選口数で割れば、1口あたりの取り分が出ます。6個中4個を的中する組み合わせの数は
C(6,4) * C(37,2) = 15 * 666 = 9990 通り
ですので、平均値として求める4等の賞金は、
98320215 / 9990 = 9,841.…
です。当選金にまわす率や等級ごとの比率が実際の値ではないので若干正確さに欠けますが、それでも1万円前後っていうのはなるほど理論どおりと言えます。ただ、4等が当たる確率は
9990 / 6096454 = 0.001639… (約1/610)
なので、割にあうかどうかというのは微妙な情勢です。(情勢?)

当選金に配分される金額は売り上げの45%程度、ということは、平均値でいえばかならず損をすることはわかりきっているわけです。しかし、非常に低い確率で非常に高い賞金が当たるとなると、そこで人の感覚っていうのは狂ってしまうようです。とくに、非常に低い確率というのがミソでして。たとえば当選確率が 1e-7 (=0.0000001) とか 1e-8 (=0.00000001) とか言われても、そのちがいなんてふつうぴんと来ないものです。その“ぴんと来なさ”が重要なわけで、非常に低いけれどもギリギリでゼロではない、つまり当たるかもしれないという可能性をおぼろげながらも残しているから、人々の思いをかき立てたり購買意欲を高めたりするというわけです。俺は宝くじを買っているんじゃなくて夢を買っているんだ、と主張するのはかまいませんが、実際に買っているのは微々たる割合の夢と、あとの大部分を占めるがっかりだということをお忘れなく。
確率ついでに(?)もうひとつ、私が確率の問題ですきなのがひとつあります。40人のクラスの中で誕生日が同じ人がいる確率、というものですけれど、これは計算するとおよそ89%となります。予想に反してとても高いと感じませんか。こういうふうに、私たちの直感と大きくかけ離れていることもあるというのが確率のおもしろいところです。

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