迷子のソステヌートへ

2002/10/07

むかしのひび

先月の終わりのひびで旅に関する話を書いたのでそれに関連して。ある程度以上の距離の移動に利用した交通機関といえば電車がだんとつでしょうか。たまに自転車に乗ってどこまでもなんて愚行をはたらいたりもしますが。いえ若いころの話ですが。乗用車やバスは乗物酔いがはげしいため避ける傾向がありまして、移りかわる遠くの景色をゆったり眺められる電車の旅は私の体質にも合っている気がします。<でもたいてい寝ていますが 電車といえば時刻表がつきものですが、私は乗り継ぐ路線や時刻などは事前にきっちり調べておかないと気がすまないタイプです。出発前に入念に時刻表を読み、いつどの駅で乗り換えて、目的地には何時に着くか、というところまできっちりチェックします。こうすることで事前に分単位の綿密なスケジュールを作れ、当日になってもあわてることなく安全に行程をこなすことができます。もっとも、そうしておかないと不安で落ち着かないという私の性格がそうさせるのですけれど。あとこれでは、ちょっと時間に遅れたり寄り道したりなんてことが許されない状況を作ってしまうのでストリクトです。先日書いた、目的のはっきり決まっている旅行、というのはこのあたりのニュアンスも含んでいますということで。今はインターネットでも時刻表や路線図が簡単に調べられるので、手元に時刻表を用意する必要もなく手軽にダイヤを確認できます。そういう環境にあると私は、旅行の予定もないのに時刻表を読むということをときどきやってしまいます。朝出発してこの電車に乗って、ここで乗り換えて次は…なんて想像をふくらませて仮想旅行を楽しんでみたりします。自分を全国どこへでも連れていってくれるような、そんな物語の本みたいな魅力が時刻表にはあると思います。あの人の住む町まで今すぐ会いに行けそうな、そんな気持ちにもさせてくれます。…出不精なのが難点なのですけれど。
このごろの旅行といいますと、たしかにあんなところやそんなところにも行きましたがそれはおいといて、月1回ほど隣市の歯科医院に通っているのがそうなるでしょうか。私鉄ですぐのところですしあまり遠出とは言えないのですが、私は小旅行のような気分を味わって通っています。その町の名前がN市ということもあってなつかしさを感じさせるのでしょうか、いえ雰囲気はさほど似かよっているわけでもありませんが。みじかい時間の電車からの風景も好きですし、駅前はちょっとした商店街になっていて毎回寄り道します。本屋に入ったり、時間があるときは喫茶店でひまをつぶしたり。<通院前に物を口にするのはどうかと 診察時間もそんなに長くありませんのですこしぶらついてすぐ帰ります。たったそれだけのことなのですけれど、行くたびに気持ちがほころぶような感じがします。これから寒い季節に入っていって、心がうかれるようなぽかぽか陽気の日もすくなくなるかもしれません。悲しいことがあったり、さびしい気持ちがつづくことがあるかもしれません。けれど私にとってのその小旅行は、これからもあたたかいものであってほしいなと思っています。今はそんな悠長なことを言っていられない状態でもあるのですけれど。
遊び疲れた思い出の上に、そっと雪が積もります。春になって溶け出すころ、それはまだ残っているでしょうか。

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