ただしフリマアプリ、テメーはダメだ

2021/06/15

何様

また新連載とか! くずしろさん何人いるんだよ! …ごきげんよう。

ぼくは今さらLINEの個人情報流出にざまぁとか思ったりしてませんよ? 本当だよ?
(いきなり何っていうかうぜぇ)

そのアプリが出た当初、個人情報が抜かれて売られているといった噂が流れたのは確かです。
当時は心配になりましたが、しかし今にして思えば嫌韓な人たちの過剰反応だったのかもしれません。
もっと言えば、個人情報が適切に管理されているかどうかという懸念はそのアプリに限った話ではありません。
全てのインターネットサービスに対して同じことが言えます。
こっちのアプリは個人情報保護を理由に使わないのに別のサイトは使ってたら説明がつきません。
今やグローバル展開しているサービスも多く、国内の企業か海外の企業かは判断材料になりません。

ということは、全てのサイトやアプリに危険性が存在することを認識した上で(重要)、個人個人がサービスを選んで使っている状態と言えます。
であれば、たまたま自分が利用していないアプリで不祥事が発生したからといって事業者や利用者を笑い者にすることはできません。
次は自分が愛用しているサービスで何かが起きるかもしれないからです。

だから使いたい人は使ってくださいというスタンスです。
自分に火の粉が降りかかりさえしなければ何でもかまいません。

自分がそのアプリを利用していない理由の一つには個人情報に対する不安も含まれますが、嫌いな理由は別にあります。


1. NAVERまとめを作った企業だから


LINEを始めたのはインターネット企業NAVERの日本法人です。
この会社がその前から運営していたのが『NAVERまとめ』というサイトでした。
ユーザーが自由に記事を作成できるのですが、その作成者に報酬が支払われるという、現在のつべのようなしくみを採用していました。
その結果、著作物の無断転載が相次いだのです。
内容も一次情報がないので、訪問者に無駄足を踏ませることが多々ありました。
検索結果汚染の問題や、キュレーションサイトは迷惑な存在だと世間に知らしめるはしりとなった悪名高いサイトです。

著作権侵害を指摘されても記事作成者に責任を転嫁するなど、運営者として適切な対策を取らなかったことも重大です。
企業としての姿勢がこれでは、他のサービスで問題が起きてもまともな対応は期待できない、との考えに至りました。

2. スタンプとかいうあこぎな商売


これは完全に好みの問題ですが。
なんで画像ごときに金払わんといかんの、と。

昔のインターネット掲示板や他のSNSでは、画像を貼り付けるのが有料だなんて聞いたことがなく、違和感が半端ありません。
いやあちらはあちらで無断転載が見受けられますが…。
同じくチャットアプリの+メッセージはスタンプが全て無料なのに。
ほんと忌々しい文化を作ってくれたものです。

クリエイターを支援する的な大義名分をうたっているのでしょうが、中間搾取により運営側が独り勝ちしていることは想像に難くありません。

3. 「使え」の同調圧力


最後にして最大の理由ですが、これはアプリそのものに対してではなく利用者に対する嫌悪です。
いわゆるメジャー嫌いに分類されるでしょうか。

みんな使ってるからおまえも使えという、いかにも日本社会らしいプレッシャーに苦しめられました。
勧める理由に何ら合理性はありません。
早い時期から既読無視がどうのとかトラブルが問題になっていたので、そんな面倒事に巻き込まれるのはごめんだという気持ちしかありませんでした。
しつこく言われるとこちらも意固地になり、断固使うものかという態度になるだけです。

行政サービスなどでも使われだしたのは開いた口がふさがりませんでしたけども。
ただの一企業のチャットアプリ、しかも出所も怪しい、運営もまともじゃない、電話帳を勝手にうpするなど不安要素だらけなのになぜ信用したのか、永遠の謎です。
若い世代をフィーチャーするにしてももっと考えて選定してほしいものです。

ぼくは昔から、世の中の常識とずれていても自分の考えを貫く傾向がありましたが、この件ほど頑なになったことはありません。
とても「連絡手段」の一つに数えられる代物ではないのに、世間ではデファクトスタンダードになりつつあることへの強い危機感というか反発心というか。

実際、出身校の同窓会の幹事に誘われたときも、連絡手段がこのアプリ内のグループしかないという理由で辞退しました。
旧友と出会えるまたとない機会でもためらいなく棒に振る、これがondクオリティ。

おわりに:時勢から見えること


なぜこのアプリが圧倒的シェアを占めているかと考えたときに、一つは無料通話なのだろうと思います。
無料はたしかに魅力ですが、音質は既存の電話網と同等とはいきませんし、もしサーバーがダウンしたら使えなくなります。
同じくインターネット電話であるIP電話では、国内のある村が先進的に全戸に導入したけれど、停電のときに使えなくなったという事例もあります。
一見安価で便利なようで、実際は品質や可用性を犠牲にしているのです。

それでもみんな使っているのは、ある程度の品質でいい、信頼性でいいという、「安かろう悪かろう」を求める人が増えたということではないでしょうか。

イチローさんが現役時代、アメリカと日本との生活の違いについて以下のように語っていたと何かの記事で読みました。
「アメリカで宅配の荷物を受け取ると箱がへこんでいることは日常茶飯事。箱もきれいなまま配達してくれる日本とは違う」

自分も過去に日本の過剰品質を批判したことがありますし、グローバル感覚に近づいたことは歓迎すべきなのかもしれません。
しかし一方で、とくに海外発のサービスで品質の問題が目立っていると感じます。
スポーツ中継配信サイトが回線トラブルで視聴できなかったり、フード配達アプリで配達員によるトラブルが多発したり。
そんな状況まで「ある程度でいい」と受け入れてしまって本当によいのかと考えると疑問が残ります。

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