※政治の話注意
緊急特番ー。
横田めぐみさんを題材にしたドキュメンタリー映画が公開されたそうで。
ネット上に感想が上がっているのをチラ見したのですが、思わず震え上がりました。
その中に「実力行使」「武力行使」の文言を見つけたからです。
拉致問題は許せない、必ず奪還しなければならないという感想を抱くことは至極まっとうなことです。
ですが、そのための手段として相手国を攻撃するという発想も同じくらい許されません。
いまだにこういう人が一定数いることに驚きを隠せません。
北方領土を取り返すために戦争しろと発言した国会議員くらいだと思っていたのに。
終戦から75年以上たって、国民の誰もが戦争はいけないと耳にたこができるほど聞かされているはずなんですが。
それでも訴えが届いていない人がいるのですから、これからも口酸っぱく言い続けなければならないのでしょう。
もちろん、北朝鮮が交渉に応じない、対話路線では糸口がつかめないことも承知しています。
ではどうするか。
二国間でやろうとしないことです。
国家が主導した誘拐事件は国際的な人権問題として取り上げるに十分値します。
実際、アメリカや韓国など他の国でも拉致被害は起きています。
国際社会が協調して、解決に向けて一体となって取り組むことが最も重要です。
というかすでに実施しています。
各国が経済制裁などで圧力をかけ続けていますが、北朝鮮が音を上げる様子はありません。
延命を可能にしているのは、背後で支援している国家の存在です。
核開発なども含め北朝鮮を非難する国連決議も何度も採択されていますが、具体的な行動に至ることはありません。
一部の国の反対によって強制力の行使が阻止されているからです。
安全保障理事会には常任理事国という特別席があり、いずれか一か国でも拒否権を発動したら決議案は否決されます。
これのせいで重要なことが何も決まらず、安保理が有名無実化しています。
もちろんそこにも手を打とうと、日本などが常任理事国のあり方を含めた安保理改革を提案していますが、なかなか進展が見られません。
機能しない組織を放っておいてよいのか、よりも一部の国が既得権益を守ることを優先しているのでしょう。
いじめの被害を訴えたら担任もクズだった、みたいな状況でしょうか。
…って、自分が社会科で習ったときから状況変わってなくて先行き不安な気持ちにさせられます。
75年過ぎても終戦当時のパワーバランスが固定化されてるとかもうね。
それに加えて、アメリカが世界の警察の役割から降りたことで、近年の世界情勢はより混迷の度を増しています。
現状を変えることは容易ではありません。
それでも、地道に国連改革や、協力してくれる国を少しでも増やす努力を続けていくしか道はないと思います。
一刻の猶予もなく焦る気持ちはわかりますが、それで短絡的な暴力に世論が傾くことのないよう切に願います。
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