あまくだryの本棚より
さよならローズガーデン (3)
(毒田ペパ子/ブレイドコミックスpixiv)結末の満足感、幸福感以上に連載が終わってしまったロスがやばいです。
最終話の前の回のラストで1話と同じ台詞が出てきてはらはらさせられましたが。
ああやっぱりその思考から逃れられないのかと。
そこに戻ってしまうのかと。
両想いだとわかっても一緒に歩むことはできない、という最後の壁が立ちふさがります。
よくよく考えれば、エドワードを倒せばそれで解決ではありません。
家柄や自分の立場、そして時代までもがアリスにすべてをあきらめさせていました。
著作の中で自分らしく生きられる希望を描いたのも反骨心からかもしれません。
そんなアリスに勇気を与えたのは、やはり華子の芯の強さでした。
自分の感情の正体に気づいてからもそれを強く持ち続け、正面切ってアリスに思いをぶつけます。
その行動がアリスを揺り動かし、大きな一歩を決意させたのでしょう。
アリスにとって華子は目の前に現れた救世主…だったのかと言うとそうではないと思います。
華子はもともとヴィクターに憧れてイギリスにやって来たのでした。
つまり、アリス自身の力で引き寄せたとも言えるのではないでしょうか。
抑圧に苦しみながらも心の中の自由を捨てず叫び続けたからこそ、その声が海の向こうの誰かに届き、運命的とも呼べる出会いをたぐり寄せたのです。
作品は華子視点中心で描かれていますが、アリスの立場も想像して読み返すとそんなふうに思えてきます。
しかし…、もう読めないという喪失感がこれほどまでとは。
短い話だということは予想できていたし、だからこそこれだけ密度の高いシナリオだったのもうなずけるんですが。
2巻発売前だったかに連載が1か月飛んだだけで発狂しそうになったのに(ぇー)、本当これからどうしたらって感じです。
おそらくストーリーや百合としての魅力以上に、華子という人物に惹かれたんだと思います。
強キャラだったところも第一印象から変わらず首尾一貫してましたし。
堂々と自分の意見を述べたり人の懐にぐいぐい入っていく姿をもっと見たかった、という感情なのかもしれません。
後日談などの追加供給を期待して待ちつつ、通しで何度も読み返して寂しさを紛らわせることにします。
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