「ありえない」って今の若い人のはやりことばかと思ってたらそうでもないんですね。政治家のインタビューなんかでも出てくるもんだからびびったサ。それともテレビの影響力でしょうか。まあ、たしかにふつうの単語なんでしょうけど。
ということで、ここんとこたびたびの石部金吉トークで恐縮なんですが、今日もきちゃったよ? 最近、ファミレスやコンビニなどの接客におけることばづかいが議論になっています。「こちら~~になります」「~~のほうお使いになりますか」「~~円からお預かりします」などのやつです。これってどうですか。私がそういうところをあまり利用しないだけだからかもしれませんが、まったく耳慣れないんですが。どこからあんなことばが出てくるのかっていうか、体のどこからあんな声が出るんですか。(注:それはちょっと意味がちがいます) だってこんなの日常会話で使わないじゃないですか。私も接客やレジ打ちのアルバイトをしたことありますが、そういう表現を使ったおぼえも教わったおぼえもありません。
とあるテレビ番組での解説によると、「なります」「ほう」「から」などの語句で文体をやわらげて、ていねいに聞こえるように使っているのではないかということでした。表現をやわらげる、というよりぼやかすことばづかいはたしかに近年の傾向です。直接的ないいかたや断定的ないいかたを避け、自分の意見を明確に主張せずひかえめな印象をあたえる。気持ちはわかりますが、これは果たしてていねいでしょうか。言おうとしていることをきちんと断言せずにお茶をにごしたところで、相手はよい印象を持ってくれるでしょうか。おそらくノーですよね。はっきり言えやゴルァ!ですよね。敬語というとなにやらこむずかしい動詞やらいろいろくっつけたような表現やらというイメージをもたれがちですが、それ以前に人と人とのコミュニケーションだということを忘れてはなりません。基本は要領よく簡潔に。なのでよけいな語句をつける必要はないかと。有名どころでは「社長さん」も不適切です。「社長」自体が敬称ですので、それにさらに敬称を重ねるとうっとうしくなってしまいます。
と、ここまでは前置きなんですが(ながっ)、その番組でこのことばづかいのことを「ファミコン言葉」と紹介していたものだから、私はむしろそっちにつっこみたい。ファミコンて。それならオーソドックスに接客ことばとか言ってくれたほうがなんぼかよかったか。てかさー、ファミレスもコンビニもどちらも略語なのに、それらをさらにくっつけてちぢめちゃうなんてどういうことかと。というのも、私はちまたで評判の略語ギライ人間でして。なんでかというと中学生のときにドリカムがDreams Come Trueの略だと知らなくて大恥をかいたことがトラウマになっているから自分でもわかりませんが、まあ世の中メロンがきらいな人や夏がきらいな人もいるわけですし(関係ないし)。しいてあげるなら、略語ってのは以前書いた集団内言語の最たるものだと思うからです。ひらべったく言えば、濫用されると会話が通じなくなって困るってことです。私がよくインタネとかスターバとかほかの人があまり使わない略称をわざと使っているのも、そうした風潮に対するまったくの反抗です。けっしてにちゃんチックに言っているわけではありません。ええ断じて。
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