甘酢流るる砂礫谷

2003/07/08

むかしのひび

抜けた乳歯をマンションのベランダから投げないでください。(近隣住民からの苦情) あれってなんでしたっけ、たしか上の歯は軒下に、下の歯は屋根に投げると、生えかわりの歯がすこやかに伸びるっていうか、すなわちセノビィなんですが。でもそれがよく言われていたのはほとんどの人が一軒家に住んでいたころの話で。年月がへて私たちの生活が変わってくると、こうしたいわれがだんだん時代にそぐわなくなってきます。
時代の推移に対応すべきもの、それは法律もそうでしょうか。数十年前には想定されなかったたぐいの問題や犯罪がつぎつぎと発生してきています。公害、知的所有権、インターネット上のトラブル、教育制度改革。人々の暮らしはたえず変化していくのですから、小さな法律や特例といったものだけでなく、大きな法律や憲法などもこまめに見直してちょくちょくいじっていく、というふうにしたほうが即応的ではあると思うんですけれども。や、私は真剣にリーガルトークなぞしたくはありませんのでここいらでお開きにしますまた来週。
ほかに時代の変遷を感じさせるものとして、フィクションがあげられます。小説やマンガなども、多くのものがその時代の風潮や流行を反映しているので、今になって読んでみると不思議に思ってしまう話題や価値観もあったり。知られた話では、鉄腕アトムに登場する通信手段は黒電話なんです。そう、黒電話。原子炉積んで怪力で空も飛べるのに、黒電話。お茶の水博士も黒電話。<もういいっつうの 作中でアトムの生年とされる2003年現在、衛星放送やインターネットが通信の主要な地位を占め、電話も携帯電話が広くまん延しています。こんな世の中になるだなんて、当時は思いもしなかったのでしょうね。
だからと言って、そうしたものを今の時代に対応させればいいというわけでもありません。古きよき時代はたしかにあったのですから。だって、波平さんに携帯電話持たせたりマスオさんにパソコン使わせたりするのはどうかって思いますもん。

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