あまくだryの本棚より
さよならローズガーデン (2)
(毒田ペパ子/ブレイドコミックスpixiv)婚約者の妨害もヴィクターの所在も予想通りでストーリーとしては
ベタな感じになってきましたが、読み手を引きつける画力は健在です。
手を添えられた頬を染め瞳を潤ませる華子に胸が締めつけられます。
あの表情が意味するものは――。
いつからその感情を抱いたのか、本当にアリスの家庭教師の名前を
知ったときなのか気になります。部屋でひとり赤面するシーンとか。
“その感情の名は”、2巻の中では結局明言されませんでしたが、
発売日(8/9)直後にMAGxivで公開された続きの第12話(8/12)で
ついに明かされました。
しかしこれは販促としてはうまくなかったのでは(なぜ上から)。
この第12話まで収録しかつウェブ公開は遅らせて、続きが気になる
人は今すぐ2巻を購入! という形にしたほうが売り上げ増加にも
つながったと思うのですが。
ただ、この第12話で物語は次の段階に入ったというか、再び続きが
気になる作品になったことは疑いようのない事実です。
蜜蜂と遠雷 (上、下)
(恩田陸/幻冬舎文庫)文庫化を待って購入。
音楽の才能という、最も言語化が難しい題材をどう描いているかが
注目だったのですが…、ピアニストの深遠なモノローグの間に演奏が
終わってるみたいな漫画的手法だったり、観客の狂喜する反応など
間接的な描写での表現に留まったりという。まあそんなもんかと。
ですが結末が気になってどんどんページをめくってしまいました。
題材の珍しさとキャラクターのカリスマがよかったんだと思います。
若い3人の恋の行方も含めて。(おまえのその感想のが意外だ)
むしろ担当編集が書いたという文庫版解説に幻滅だったんですがー。
非凡な演奏の描写が、冒頭の塵のオーディションのときは緻密さが
あったのがだんだん雑になっていくのはそういう事情からか、と。
0 件のコメント: