ああ、そういえば思い出しました。私が今まで流星群をさけていた理由。いやな思い出があるからです。大学生のとき、一度だけ高校の同級生が私に会いに来たことがあります。京都に下宿していた私をうらやましがる人はたくさんいましたが、なにぶん地元からは遠く離れているので、訪ねてくることなんてめったにありません。その人は観光を計画しているときに私を思い出したようで、一晩宿を貸してほしいということでした。そして当日を迎えます。ひさしぶりに顔をあわせた私たちは再会を喜び、ごはんを食べたりすこし名所をまわって、それから家に戻りました。…ああそうだよあの部屋に連れてったんだよ!(だからみんな知らないから) つもりつもった話に花を咲かせ、私が当時買っていたアダルトゲーム情報誌を発見されて(ぇ)、でも案外興味があったらしくて事なきを得(ぇぇー)、時間はあっという間にすぎていきました。で、まだまだ話はつきなかったんですが、次の日も朝から観光したいということでほどほどに切り上げて休むことにしました。私は魔女の宅急便をみて以来、泊まりに来た客人にはベッドを貸すのが礼儀だと思っていたので、かれに自分のベッドを使わせて、私は床にふとん一枚ひいて横になりました。本当はベッドを貸したかったというより、出入口に近いほうだと夜中に人が通ってうるさくなるかもしれないと思ったからなんですけれど。そしてそのまま夜が明け…たらふつうのいい話だったんですが、だったんですがね? 事件が起こります。深夜も深夜、丑三つ時になって突然うちの電話がけたたましく鳴り出しました。びっくりして飛び起きますが、こんな時間にかかってくる電話の心当たりがまるでありません。しかし、お客もいるのに鳴りっぱなしの電話を放置するわけにもいかず、もしかしたら実家とかから緊急の用事なのかもしれないと思って受話器をとりました。悪友某の声でした。
「おー! いま流星群見てるよ! 車で山登ってきたんだけどな、すげえ見晴らしよくて星がきれいなの。もう感動だって! おまえも見てるか? 見てるだろ? 流星群ってサイコーだよな! ひゃっほう!!」
……うわああああああああああああああっ!!
あの、いや、もう、なんていうか。みなさんはわかってくれますよね。私の言いたいことをわかってくれますよね?(涙の訴え) これほど怒りに打ち震えた瞬間もありませんって本当に。いくら大学生の本分は夜ふかしだからって(うそ)、くり返しになりますが午前3時ですよ午前3時。流星群が観測できる日だったらそんな時間に電話かけていいなんて理屈はありません。非常識もいいところです。しかも、しかもさあ。なんでよりにもよってこの日なんだよ。せっかく私が旧交をあたためてたっていうのに。はるばる訪ねてくれた同級生にすてきな旅の思い出をプレゼントしたかっただけなのにー。でまあ、当然ながらかれはわけもわからずに目が覚めてしまって、私が平謝りして事情を説明するって始末。もう情けないやら申しわけないやら。流星群なんて絶対に見てやるものかと、そのとき固く心にちかったものです。
っていうかこれ見てますか某。今からでもいいからこの件の謝罪を求めます。まじで。
0 件のコメント: