勉強してへんよ? ちゃんとねてました。…逆ですかそうですか。…ondです。
東横インの建物の不正工事が明らかになりました。また耐震偽装か、と最初早とちりしてしまったんですがそれはさておき。私も仕事でも個人でも利用することがあるので、つまりは恋に仕事にがんばっているので(またそれか)、ショックもひとしおでした。自治体に建設の認可申請をして、承認がすんだあとにかってに改蔵(違)したというあくどい手口です。こんなやり口はとうてい許されるものではありませんが、ですがね? 気持ちはわからないでもないというか。…だって身体障害者用の設備なんていらないでしょ?
いえ、これだとあからさまに言葉がたりないので説明しますけども。東横インの人は会見で、そういう設備を撤去したら建築基準を満たさなくなる、つまり違法になることを承知のうえでやったと話していました。その開き直りの姿勢に感心したというか、まあ男気を感じたわけです。身体障害者向けの設備や客室をけずってでも、そうでない人向けのスペースや駐車場を広く取ったわけですから、サービスが向上したと評価する利用客もいるかもしれません。というか、本音ぶちまけすぎですって。身体障害者用の施設って大事だよね、というきれいごとが世間を支配するなか、そんなものは利益追求のじゃまになると言って堂々と撤去したのはたいした度胸です。なにも、そういう設備が不要だと言っているのではありません。ただ、体の不自由な人にやさしくない、それ以外の人にうれしいホテルというのが、ひとつくらいあってもいいような気がします。横一線に法律の規制や社会正義を押しつけるんではなく、さまざまな形態の施設が多様にあって、各人が自分に合ったものをすきに選択できる、というふうになってほしいです。だから、東横インが今後もこの路線をつらぬくんなら、それはそれで見守ってやりたいなと。
と、こんなこと書いたらけしからんと思われるかもしれません。ですが、率直に考えれば、たしかによけいな設備がないほうが広々して快適そうです。体の不自由な人を大切にすべきだという建前ではなく、自分がそのホテルを利用する立場だったらと考えたときに、それほど非難するようなことでもないと思ったので。きれいごとの意見が先行していると感じるのは、なにもこの話ばかりではありません。たとえば、なぜ男性陣は「女性専用車両」の導入に反対しないのか。自分たちが乗れる車両が減ったのに文句ひとつあげません。もちろんチカンは卑劣だし許せませんが、するのはごく一部の人間です。男に生まれただけでみんな連帯責任を負わなければいけないのでしょうか。
ほかにも、社会的な弱者への保障のために、私たち国民にさまざまな負担がしいられています。身体障害者は先天的な要因や不慮の事故などでなることが多いので、それ以外の人がきちっと保護しなければいけないと思いますが、最近は、やむをえない状況に置かれたわけでもないのにそういう弱い立場に立ちたがる人が増えています。忍耐がなかったりわがままを並べて仕事を長続きできない若者が失業保険をもらったり、無計画に結婚や出産をしてその後育児や生活が続けられなくなって扶養手当を受けたり。補助を受け取ると、こんどはそれをあてにするようになって、なおさら自立が遅れるのでたちがわるいです。これは単に本人たちがだらしないから、と言えるのではないでしょうか。つらい仕事に耐え勤勉に働き、強い意志で生活を切り詰める人たちから徴収した税金が、そうした手当にも使われています。いったいどこまで目をつむらないといけないのでしょうか。
なんというか、弱者を守るってそういうことじゃないと思うんです。人助けってそういうことじゃないと思うんです。税金を納めればそれでいいとか、対策は国や自治体や企業にまかせておいていいとか、そうじゃないでしょう。自分の身近なところで何ができるか、というのを一人ひとり考えることが大切です。金品や制度によって物質的な保障をあたえたとしても、その人が本当に満足しているか、生活に不自由を感じていないかまではわかりません。そういうときにその人の心に触れられるのは、まわりの人のちょっとした気づかいなのではないでしょうか。うわべだけの道徳感ではなく、人に親切にすることが気持ちよいとみんなが思えるようになればいいですね。……という主張こそが一番のきれいごとだったりして。
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