あれですね、日がとっぷり暮れるととんと暗くなって、しかも夜の冷えこみもしだいにきつくなってくる時期ですが、そうすると家々の明かりが目にしみて泣きたくなります。<なんでいきなりそんなセンチなの ごめんなさいうそですもう涙は見せません。
それにしてもね、うちの近所に新興住宅地がありまして、朝晩いっつもそのへん通るので目に入るわけなんですが。ほんとにいいお宅ばっかりです。ちなみに私はいい歳こいたオタクです。<言わなくていいし つくりはモダンだし外壁はきれいだしこぞってガーデニングしてるし庭には芝生はってるしいい車停まってるしまだ風鈴つるしたまんまだし。見ばえのよさに思わずため息出ちゃいますっていうか、むしろ目にしみて泣きたくなります。(またか) いちばん驚くのが、電気。そう、玄関やガレージの明かりが勝手につくやつ。センサーか何かでやっているんでしょうね。あれは便利だし防犯にもなるし言うことありません。ただ、できがよすぎて、通行人(=私)が家の前を通りがかっただけでついてしまいます。それはちょっと射程範囲広すぎだろってくらいに。そうするとまるで自分がわるいことしたみたいに思えてきて、ついピンポンダッシュのごとくに逃げちゃったり。そしてよけいあやしまれたり。(泥沼)
もちろん、家にとって重要なものは見てくれや豪華さではありません。心と体を休めるやさしい空間、守られているという安心感とぬくもり、そしてなにより家族がいて、いたわりと語らいがあって。そういうもんじゃないですか。一家団らんなんて平凡なことと思うかもしれませんが、そんなあたりまえのような姿が現代社会においては消えつつあるのです。今こそその大切さを見つめなおすときなのかもしれません。かくいう私も、家庭というものにあこがれてみたくなる年ごろです。住宅地の家々から楽しそうな子どもの声が聞こえてきたりするときなんか、とくにね。だから思うんです。…ぼくも子どもにもどりたーい!<そっちかよ
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