「おねえちゃん…あたしアイドルになれるかなぁ?」「なれ」

2024/05/13

ダメだこいつ

緊急特番ー。ごきげんよう。

銀幕レビュー

トラペジウム



はい、というわけで見てきました。
感想としては…全然ぬるい。(ちょっ
前評判でサイコだのえぐいだのと噂されていた割には、後味悪い展開になることもなく。
他人の評価を当てにしてはいけない、という自分の信条を再確認できただけでした。

ゆうの言動に薄気味悪さを覚える場面はたしかにあります。
ですが、無自覚に人を傷つけた経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
自分は何にでもなれると思っていた全能感。
他人を慮らず我を通す視野の狭さ。
そして、頭の中の理論が破綻しかけても必死にすがりつく無様な姿。
他ならぬぼくもゆうのような部分があったので、過去を思い出して後悔と恥ずかしさが押し寄せてきました。
そうした自分自身と向き合わされること、心をえぐられる体験をどう感じるかによるのかなと。

その点を除けば、あるいはそれも含めて、真っ当なアイドルものでありガールズ青春ストーリーです。
グループ内の衝突くらい言ってしまえばどこにでもある話で。
どんな打算があったにせよ、築き上げた友情や笑顔は本物だったはずです。
限られた時間で後日談まで描ききった疾走感、爽やかさこそ本作のイメージに当てはまると思います。

実際の人間関係においても、あの人ともっと違った形で知り合っていたらとか、自分が言い方を間違えなければなんて悔いはいくらでもあります。
でもやり直しなんてきかない、それが現実。
ですが、一度失敗してもそれで終わりじゃないのもまた人間関係です。
3人の前でゆうが自分の行いを、3人はゆうと過ごした時間をどう語るか。
本心から向き合えた彼女たちはあの瞬間、間違いなくまぶしく光っていたと思います。

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