リンギにかけろ。…言ってみただけとです。ごきげんよう。
またネット上の話題にエアリプで恐縮ですが。
人間の愚かさを描いた作品に対して愚かであること自体に低評価をつける人がいる、という投稿がありました。
そんなレビュアーはばかだと切り捨てるのは簡単ですが、もっと根深い問題な気がしてまして。
というのも、自分も以前から同じ違和感を抱いていたからです。
『聲の形』のテレビ実況などでも感じました。
この登場人物は許せないとかこいつはクズだとか、物語の感想とはずれたことを言っている投稿が多いなと。
ぼく自身の経験で言うと、子供のとき『火垂るの墓』の叔母が嫌いでした。
なんて意地悪な人なんだと。
でも後年になって、あれは戦時下のリアルな描写だし、誰もが反感を覚えるキャラクターを作れたことは作品としてむしろ成功ではないかと思えるようになりました。
作品を作品として見られない、創作と実話を混同どころか同一視する層が存在すると感じています。
単に目が養われていないということではなく、時代的な傾向としてというか。
作中の登場人物や出来事に、現実のニュースと同じように憤ったり批判したりする。
SNS上の真偽不明な話題に飛びつくのと一緒なのではないでしょうか。
そういう人にとって、面白ければ、あるいは怒りをぶつけさえできれば事実かどうかは重要ではないのかもしれません。
近年のPost-truthの流れと無関係ではないような気がします。
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