『はなにあらし』は舞が出てきてから少し冷めた部分があります。
連載開始当初は週刊(※現在は月2回)で新鮮な百合ネタが供給されてまさにヒャッハー! でしたし、人目を忍ぶシチュエーションもスリルがありました。
はらはら、ひやひやがありつつも二人の関係は揺るがない、というのが本作品の魅力の根幹だと思っています。
バトル漫画の主人公は死なない安心感的な?
千鳥と因縁のある文芸部OGの登場時も、どうせ今の二人に割って入れやしないだろうと高をくくっていましたし、なのはの妹なんかただの盛り上げ隊ですし(ぉ
一方、なのはの幼馴染の舞はというと、密かになのはに憧れを抱くガチっ子でした。
最終的には想いを伝えるも玉砕し退場します。
主人公補正(何)を考えれば十分予想できた結末なのですが、では何が不満かと言うと舞がかわいそすぎてな?
二人をより親密にするために生み出された、最初から不幸になることが確定している人物じゃないですか。
そんなキャラクターづくりに失望したというか。
フィクションにおいて、感動のために登場人物を死なせることの是非は古くから議論があろうかと思います。
泣きゲーでも多用されてきた手法ですのであまりうるさく言えませんが…。
死に至らずとも、恋愛物における失恋も同様の扱いと言えます。
主人公とヒロインが結ばれる裏で、物語の犠牲となって振られる女の子たちがいるわけです。
そのことをメタ的に題材にした『恋愛ハーレムゲーム終了のお知らせがくる頃に』のような作品もあります。
個人的には、物語の必要上人が死ぬのや不幸になるのはよいのですが、いわゆるキャラの使い捨てには嫌悪感を覚えます。
百合作品の中にも、男キャラをかませ犬にするものがありますが、ああいうの見ると作者は本当に百合を描きたいのか、ただ男性を貶めたいだけではないのかと考えてしまいます。
創作のストーリーづくりやキャラクターづくりにどのような苦労があるか、素人にはわかりませんが、反対に読者は誌面の細かいところまで見ているものです。
ぽっと出の脇役に愛着を抱くファンもいるでしょうし、「わが子」一人ひとりを大切にしているかが作品の評価にもつながるのではないでしょうか。
もちろん舞も生みの親に愛されたキャラであると信じたいですが。
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