蒸し暑いからぬぐー。…こんにちは。
ひぐらしOPが怖くてたまりません。本作品の奇怪な世界とよくマッチした、いやがおうにも不安をあおる不気味な曲です。具体的には夜中にひとりでトイレに行けなくなるくらい。(あんたいくつだ) I've曲の魅力のひとつであるダークサイドがひさびさに発揮されています。
オカルト調のサウンドや抑揚をおさえた歌声も怖さの要因ですが、歌詞にも身震いするほどの不吉さがふくまれています。最大の特徴は、子どものころよく遊びながら口ずさんだ歌、その一節がところどころに歌いこまれていることです。「この指とまれ」や「鬼さんこちら」など。一見子どもらしいフレーズは、物語の主要人物が少女たちであることとも相まって異様な雰囲気を生み出しています。無邪気な少女たちがいつしか恐れの対象へと変わっていく、それを暗示しているような気がして。
I'veの同系統の曲に、同じく島みやさんが歌う「とおりゃんせ」というものもあります(PEKO名義だったかも)。♪こーこはどーこの細道じゃー、で知られるあのわらべ歌そのままの歌詞を、ひたすら低いトーンで重々しく歌いあげていて、うすら寒い印象をおぼえます。残念ながら、この曲が使われている作品の内容は知りませんが、っていうか正直エロゲーですがそれはさておき、わらべ歌を用いることによって恐怖心をふくらませる、というのはひぐらしと共通していると言えます。
こうして見てみると、わらべ歌そのものがある種の怖さ、伝奇的な一面を持っていると考えることができます。実際、昔から知られる「かごめかごめ」や「ずいずいずっころばし」などは、古い時代からの言い伝えが裏の意味として歌詞に織りこまれているという説があります。たとえば「かごめかごめ」は、子どもを“間引く”儀式、妊婦が流産した話、輪廻転生、あるいは財宝のありかなどを意味しているとされ、「ずいずいずっころばし」は、主人の茶碗を欠いた(「書いた」ではない)使用人がやむなく井戸に身を投げた歌だと言われています。
…すみません、自分で書いててちょっと怖かったです、はい。本当は怖いグリム童話の日本版、といったところでしょうか。そして、そこに目をつけてダーク曲を作ったI'veの中の人グッジョブ。まあ、今日の子どもたちがこんな歌をうたって遊んでいるのかどうかはわかりませんけれども。しかし偶然か否か、ひぐらしの舞台は昭和末期。子どもたちが当たりまえのようにわらべ歌に触れ親しんでいても、まだ決しておかしくない時代です。…いやー、怖いですね、おそろしいですね。
note
このブログを検索
ラベル
ブログ アーカイブ
-
▼
2006
(305)
-
▼
6月
(23)
- ワオキツネザルの「ワオ」の部分も気になる
- その指ごと連れてってあげなーい
- 祐巳さんの岡目八目
- コカンに電撃!
- 蟹かわいいよ蟹
- 大阪にもあるかもしれないけれど
- ハレ晴れハレイ
- 金持ちけんかせず?
- そっちのソフトキーボード
- KUR-MAR-TER(くるまれてる)
- 島人ぬ!電波少年
- 「ハダカだ!」「違います」
- お姉さまに私の意見なんて私の意見なんてっ
- ゴーヤーのキモチ
- 寿司以外の邪道系
- 出会えた悲しみより失った快感に焦がれて
- このコントロールをアクティブ化して使用するにはクリックしてください。
- トランスミグレーション
- キミの余裕がぐさっと(ぐさっと)
- why, or why not
- 「希望」ではなく「未来」
- なにその遅れて来たエイプリルフール
- スマトラトラの「トラトラ」の部分が気になる
-
▼
6月
(23)
0 件のコメント: