[エリオくんのよわいところ] リアルお医者さんごっこ

「……そうなんですよシャマル先生。むしろキャロの方がなんか暴走しちゃって…」
「それは災難だったわね、エリオ。わかったわ、さっそく治療しましょう。上だけ脱いで、そこのベッドに横になってくれる?」
「はい」
「…あ、自分で脱げないなら脱がしてあげましょうか?」
「脱げますよ! なんでそんな子ども扱いするんですか…」
「いえ単に私が脱がすのが好きだから」
「先生の趣味とか知りませんからー!」
「うわっ……体じゅうすごいわね。…キスマークが」
「全然違いますっ! どう見ても生傷じゃないですか」
「わかってるわよ、それくらい。…そういうプレイなんでしょ? お盛んなのはいいけどほどほどにね」
「おわかりいただいてない!?」
「…とまあ冗談はこれくらいにして。それじゃ、この薬を傷口に……。ぬりぬり」
「ホアアアーッ!」
「きゃっ! …ど、どうしたの? 痛かった?」
「何しらじらしいこと聞いてんですかー! 今薬塗ったの……ち、ちち…乳首じゃないですか!!」
「あら。……おできと見間違えちゃったみたい」
「見間違えるとかありえませんって…。もう、ちゃんとしてくださいよ」
「えっ? もっとちゃんといじってほしい?」
「言ってません…! 真面目に診療してくださいって言ってるんです!」
「…だからエリオの性感帯を真面目に診察してあげようと思ったのに」
「ダメだこの人ー! …ふざけてるんなら、もう帰りますっ」
「……ニヤリ」
「って、手足が動かないっ…! ……いつの間にこんな拘束具が!?」
「こんなこともあろうかと用意しておいてよかったわ」
「こんなことって一体どんなこと想定してるんですかこの部屋は! くっ、外れない…っ」
「無駄だよー。そのベッドは私の自信作だもの」
「シャーリーさん!?」
「シャマル先生に頼まれて作ったの。…先生、どうですかっ?(グッ)」
「ええ…さっそく役に立ってるわ。ありがとうっ(グッ)」
「なに二人で親指とか立ててんですかーっ! だいたい、シャーリーさんはこんなの作ってないで仕事してください!」
「仕事? 違う違う、これは趣味でチョチョイっと」
「なんという才能の無駄遣い!!」
「仕事と言えば……。みんなのデバイスの開発やメンテナンスしてて感じたんだけど、デバイスが力を発揮するには使用者との連携が大事だよね」
「……? それはそうですけど…?」
「だから……デバイスの性能を高めるだけじゃ足りないってわかったの。それを扱う人のことも、ちゃんと調べないと…って」
「そんなシャーリーの願いに、私が協力したってわけ。新人たちが医務室に来たら、なるべく時間を引き延ばしてゆっくりしてもらって…」
「ゆっくりした結果がこれ(拘束ベッド)だよ!!」
「というわけでエリオ、……ちょっと体のデータ取らせてもらうね?」
「拒否権なしですか…。嫌な予感しかしないんですけど……」
「それではシャマル先生、お願いします!」
「ええ…フフフ。ここの胸のおできをこすると……」
「ホアーッ! ……だから乳首だって言ってるでしょ!」
「へーっ。男の子も乳首って感じるんですか。参考になります~」
「何の参考になるんですかシャーリーさん! もうそれ確実にデバイス用のデータなんかじゃないですよね!?」
「エリオのパーソナルデータは……六課の女性スタッフの間で高く売れるんだ~」
「最低だー!! っていうか僕はいつも周りからどんな目で見られてるんですか!?」
「なんてのはうそうそ。ちゃんとバリアジャケットの調整に使わせてもらうよ? エリオの弱点である乳首を保護するためにブラジャー型のプロテクターを」
「つけませんよそんなのー! 僕に女装させるつもりですかっ!?」
「そんな……、もしエリオの弱点の乳首ばっかり狙って攻撃してくる次元犯罪者が現れたら…」
「どんな変態ですかその人! ある意味最悪の犯罪者ですけど! ……あと、弱点弱点言いすぎです。あれはいきなり触られて驚いただけで…」
「本当かしら? これでも?」
「んふぁっ! まっ、ちょっ……やっ、そんなつねったら…くぅあぁっ!」
「うふふ…こんなにコリコリさせて。エリオったらかわいいんだから」
「シャマル! シャーリー! 何してるですか!」
「…! リインちゃん…」
「リインさん…!」
「た、助かった……。リイン曹長なら二人を止めてくれるはず…!」
「こっ……こんな面白そうなこと二人だけで楽しむなんてずるいですよー! わたしも呼ぶです!」
「…ある程度予想できてたけど注意するポイントがずれまくってるーっ!」
「ごめんね、リインちゃん。…急にエリオが来たので」
「ええ、そうなんですよ。それで成り行きで…」
「成り行きでオモチャにされてたとか…。僕、泣いてもいいよね……?」
「はぁ、わかりましたですが……。おや? エリオ、けがしてるですか?」
「…最初からけが人としてここに来たつもりなんですがッ」
「それは一大事ですぅ! 治療が最優先です! 遊ぶのは後回しですぅ!」
「どっちみち後で遊ぶんですか…。僕、泣(以下同文)」
「祝福の風、リインフォース――。かの者に癒しを与えよ……ですっ!」
「あっ……。みるみる傷が消えていく…!」
「えっへん! これくらい朝飯前……ん? まだ跡が残ってるですね」
「えっ、どこですか?」
「胸のあたりの……ここですぅ」
「ホアアーッ! リイン曹長のちびっこい手で触られるとまた違った刺激が……って違う!! そこは乳首ですっ」
「ちくび…?」
「え…知らない? 平たく言えばおっぱいです。――リイン曹長にだってついてるんじゃないんですか?」
「リインのおっぱい……ですか? ちょっと確認してみるです」
「ってちょっ! ここで脱がないでくださいよ!」
「あっ、ありましたですよ! リインにもおっぱい二つついてるです~! ほらほらエリオ、よく見るですぅ。わたしのおっぱい」
「そんな至近距離で見せてくれなくてもいいですから…!」
「うわー…。エリオってそんなちっちゃい子まで射程範囲だったのね……」
「なんか誤解されてるっ!?」
「この情報を女性スタッフに流したら…、明日から白い目で見られるかもね~」
「そんな他人事みたいにー! ていうかなんで流すこと前提なんですか!?」

« 01 あの日僕は「キャロルー」に「なのフェイ」を期待した   03 本当は怖いベルカ昔話 »

ソーシャル/購読

このブログを検索

コメント

ブログ アーカイブ