あまくだりの本棚より
マリア様がみてる (9)(長沢智、原作:今野緒雪/マーガレットコミックス)
志摩乃梨派歓喜の第9巻。原作チェリーブロッサムに準拠。
昨年の実写劇場版公開のタイミングで発刊されたようです。…それを今さらとかもうね。
レビューなどでは絵柄変わりすぎっていう感想をよく見かけますが、それを言い出したら
1巻→8巻もけっこうなものだったので今さら驚く理由に値しません(えー
原作挿絵やアニメ版のタンビーな絵柄でイメージが固定化しちゃってる人は要注意ですが、
個人的には親しみやすいと感じます。
乃梨子とかはあまりお嬢様に見えない、普通の女の子として描かれてたほうがいいですので。
内容も、既刊と同様原作をかみくだいてわかりやすく描かれているのがポイント高いです。
たとえばP142の祐巳の「楽しそうならそれでいいと思いますけど……」という台詞はたしか
原作にはありません。
でもこの一言をはさむことによって、作戦を決行しようとする祥子の強い意志が強調されて
読み手にすんなり伝わりますし、その後の「似た者姉妹」のくだりにもつながっています。
そうした重要なところはきちんと描写しつつ、原作1冊=コミックス1冊という制約の中で
物語がテンポよく進んでいきます。すでに知りつくした人にもこれからの人にもおすすめ。
れとろげ。 (1)(原作:白川嘘一郎、漫画:くさなぎゆうぎ/マイクロマガジンコミックス)
レトロゲームネタはまあいい。
舞台は私立女子校だ。お嬢様学校だ。…つまりはそういうことだ。<超わかりませんけど
というわけでおん的にはほんのり百合テイストとちょっぴりエッチな(!)展開にすっかり
なごんでしまったわけですが、当然これは本来想定された面白さではないと思います。
細部までちりばめられたネタの宝庫は当初のターゲットも必ずや満足させることでしょう。
ゲームソング縛りのカラオケの選曲とかなんという俺。
むしろゲームにはそんな詳しくなくても無問題です。ネタ知ってたらくすっとできる程度。
深い歴史をひもとく解説コーナーも充実で、そちらを読むだけでも楽しめるくらいです。
しかしまあ、原作者にここまでボロクソ言われる漫画担当もなかなかいないんじゃ…(汗
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