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2006/04/17

むかしのひび

最近のニュースで何がいちばん図々しいと思うかって、訴訟起こしているライブドア株主です。まあ、某フジテレビみたいに無理やりつかまされた企業には同情の余地ありですが、それでも、自社や関連会社の株式管理がずさんだったところを突かれたわけで、反省すべき点もあるでしょう。それよりも、本当にどうでもいいのが個人。損害賠償とか言っているのがあまりに浅ましくて、もう。株価が上がっているときはしっかりおこぼれにあずかっておいしい思いをしておいて、いざ急落したら被害者ぶってお涙ちょうだいって、そんな都合のいい話はありませんよね。せっかくいい気味だと思っていたのに。利益も損失もすべてこうむるのが株主の当然の責任であって、それが理解できない人は市場に投資なんかしないでほしいです。
そもそも、ライブドアの社長さんってそんなに悪いことしたんでしょうか。法律に違反して逮捕されたのは事実ですが、そのカリスマに多くの人がひかれていました。起業家としての成功もさることながら、なんとかヒルズから見下ろしたり自分用のジェット機買ったり球団まで作ろうとしたりと、むだ遣いを極めんばかりのゴージャスっぷり。マスコミが日夜その動きを追いかけ、たくさんの人がパフォーマンスや発言に注目しました。無意識に求めていたヒーロー像そのものだったからです。人生、金だけがすべてじゃない、金がなくても幸せになれる、と表向きは誰もがきれいなこと言いますが、腹のうちではそうは思っていない。金持ちになってぜいたくしたい、勝ち組になりたいと心の底では思っているのに、人目を気にしてなかなか声を大にして言えない。そこへ、そういうことを堂々と口にして実践する人が現れたものだから、自分たちの本音の代弁者ということでわっと人気が集まったと、そういうことなんだろうと思います。ルールや道徳やきれいごとなんて無視して自分の勝手気ままに生きたい、そう願う私たち一人ひとりの小さな悪意が寄り集まって、あのような人が生まれたのかもしれません。
虚像を膨らませた会社と、その幻にすがった投資者。おろかだと思う一方で、こういう金にばかになっている人たちの存在が社会に不可欠であることも認めないといけません。世の中が私のような人間ばかりだったら、まず経済なんて成り立たないでしょうから。…いや、オタク業界だけはうるおうのかな? そんな与太話はさておき。自分が世間からずれているというか、流れについていっていないと感じるのはこのようなときなんですけれども。それでも関わりあいにならないほうがいいと思っています。

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