[エリオくんのよわいところ] あの日僕は「キャロルー」に「なのフェイ」を期待した

「……。え、えーと…」
「ルーちゃん、あなたにエリオくんは絶対渡さない! エリオくんはわたしたちの大切な……わっ、わたしにとっても…!」
「エリオを連れて帰るのがドクターの望み…。というか私がお持ち帰りしたい」
「なにこの状況……。あの…キャロ?」
「エリオくんは黙ってて!」
「はいっすみませんっ」
「ルーちゃんの思い通りにはさせない……ケリュケイオン! アルケミックチェーンっ!」
「うわっ…! …なんで鎖が僕に!?」
「――こうすれば、誰もエリオくんをさらうなんてできないよ?」
「目的はわかるけど…! でもこれ……ぐっ、かなり締めつけが…」
「そんなバインド…破壊すればいいだけ。インゼクト、召喚」
「ひいっ…! 虫がうじゃうじゃ寄ってきて気味悪い……!」
「その鎖を食いちぎって、インゼクト」
「ダメーッ! こんなのダメ! お願いやめてよ…!」
「キャ、キャロ……」
「わたしもエリオくんの嫌がってる顔好きだけど、でも虫とかグロいからわたし的にダメ! というか無理! こんなの全然萌えられないっ!」
「ちょっとちょっとちょっとー! キャロさんってば何わけわからんこと言ってるんですか!?」
「…フリード、虫たちを追い払って!」
「キュイイ~ッ!」
「インゼクトが逃げてく…! と、とりあえず助かった……」
「そしてエリオくんに甘噛み!」
「なんでーっ!? そんな使役いらないよね? ……って、フリード! こらっ、耳とか噛んじゃ…ふああっ!」
「イエス! これがジャスティス! 耳が弱いんだよねー、エリオくん?」
「そんなのいつ知ったのさー!!」
「くっ…。虫のよさがわからないなんて……やっぱりキャロは私の敵。…地雷王、召喚」
「きゃっ…! また大きい虫が出てきた……」
「地雷王、エリオを捕らえて」
「うああっ! なんかウネウネしたのが巻きついて…苦しい……っ」
「…触手に責められる男の子、これが私の属性。ご飯3杯はいける」
「み…認めないっ! グロ系はとにかく全部アウトなの!」
「まだそんなこと言うの…? エリオの表情を見て。あんなに紅潮して息も荒げて…これは鉄板」
「ルーちゃん、それ間違ってる! 触手がキモいせいでエリオくんのかわいさが台なしだよ…!」
「あの二人…一体何を争ってるんだろう……。あと、これ触手じゃなくて触角ね……ツッコミとか聞いちゃいないだろうけど」
「フリード……邪魔なものは焼き払って! ブラストレイ!」
「ゴオオオオ…ッ!」
「あっ…地雷王が……」
「ふう……また助かった。キャロは一応味方なんだよね…?」
「もちろんだよ! エリオくんの萌えポイントはわたしが死守するから!」
「なんか間違ってるけどー! って…あちちちっ! 炎が服に燃え移ってる…!」
「エリオくんっ……! そんな…、どうしよう!」
「――白天王、召喚」
「え……? ルーちゃん、その子に火を消す能力とかあるの?」
「ないけど…緊急措置。白天王……、つば」
「つばって!! ……ぶはぁ…っ! あうっ…、ドロドロした液体が…顔にもかかって……、ふ、服の中にまで……気持ち悪いのに、なんか……う…んあぁっ」
「……」
「火は消えたけどこんなの…、って、キャロ?」
「……これならアリ!」
「はいー?」
「わかってくれた? キャロ」
「うんっ。今までごめんね、ルーちゃんのこと誤解してたみたい…」
「いいの。私も…最初から万人受けするのを選ぶべきだった」
「えっ、ちょっ……。僕置いてけぼりでなんかわかりあってるし…。なんか女の友情とか芽生えてない? …ていうか腐女子?」
「ドロドロもいいけど…、白いのもかかってるの見てみたいよねー?」
「同感。白いのは…ガリューが出せるはず。ガリュー、召喚」
「いやいやいや…! 呼んで何させるつもりなのさルー! ちょっ…、助けてキャロ!」
「わくわく、わくわく」
「この裏切り者――!!」
「…………」
「って、ガリュー! そんな無言で迫ってきて何する気……アッー!」

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