《Stand by, ready. Set up》
《Get set》
さわやかなデバイスのコール音が、澄みきった青空にこだまする。
不屈の心を胸に宿す魔法少女が、今日も悪魔でいいよ…な無双の笑顔で、次元世界へのゲートをくぐり抜けていく。
敗北を知らない心身を包むのは、白い色の防護服。
ベルカ式のカートリッジは乱用しないように、桜色のディバインバスターは非殺傷設定に、しかし全力全開で放つのが模擬戦のたしなみ。もちろん、相討ちギリギリで飛び込むなどといった、聞き分けの悪い教え子など少し頭冷やしてもらうしかない。
時空管理局機動六課。
新暦七十五年設立のこの部隊は、もとはフリーの捜査官のためにつくられたという、保有ランク制限つき期間限定の組織である。
地上本部内。某中将の影響力を未だに残している海に面したこの隊舎で、後見人に見守られ、エースから新人への一方的教導が行われる修羅の園。
時代は移り変わり、解散から五年も過ぎた魔法戦記の今日でさえ、元部隊長が一声かければ実戦育ちの突撃思考魔導師がこぞって召集される、という絆が未だに残っている貴重な部隊である。
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