銀幕レビュー
マリア様がみてる
オレの志摩子さんを返せ! 返せよう!(待てや…はい、というわけでいつの間にか見に行ってしまいました。
ごきげんよう。劇場内のごきげんようは禁止です(何)。
まあ…、よくも悪くもこんなものなのかな、と。
三次元に過度の期待さえしなければ、原作ファンがアニメ版やコミック版といったほかのメディア展開と同じ感覚で十分楽しめる出来だと思います。
新参の方にいきなりこれっていうのは行間読めないしきついでしょうが。
ストーリーは原作初巻に準拠。元がいいですので展開は見ごたえありました。
歴史を感じさせる校舎や本当にぎしぎし言う薔薇の館の階段など、雰囲気もよく出ていました。
まさにリリアン女学園という舞台を忠実に再現したという感じ。
中の人は、これが三次の限界かと言ってしまえばそれまでですが、それでもよくこれだけ人を集めたなと。
とくに祐巳役の子ははまっていたと思います。
お嬢様オーラの出てなさとか表情豊かなところとか、現実に祐巳がいたらこんな感じなのかな、と思わせるには十分な存在でした。
ところどころクスッとくる場面もあり、楽しませてもらいました。お笑い担当(by由乃)の面目躍如といったところ。
原作でも祐巳が好きなんですが、その大きな魅力である芯の強さが垣間見えました。
三年生の薔薇さまに向かって意見したり、クラスメイトからの質問に一度は毅然と答えたり(そのあと泣いちゃうけど)。
見ていると、だんだんただのわらしべじゃなくて、祥子と出会うべくして出会ったんだろうなという気持ちにさせてくれます。
他の配役は…まあ、総じてあれでしたが(どれ)、柏木はもうちょっとこう誰が見ても男前というか、それこそ女子高生がキャーキャー騒ぐようなタイプがよかったですね。
あのストーリーの中では案外重要な役どころなので。
それともああいうののほうが今どきの子にはうけるんでしょうか。
それにしても災難だったと思います。出演者の中で唯一の男子でしかも同性愛者役ですから(おい
演技とかは、まあ学芸会とか某みているとの比較論をせずにすむくらいのクオリティはありました。
ただ全体的に硬かったかなと。
終始ピリッとした感じ。撮影現場の緊張感がそのまま映像に映りこんでしまったといったところでしょうか。
出演者にリアル高校生とかを使ってフレッシュにした代償と言えるかもしれませんが。
それでも、百合分を補給したいなんて高望みはしていませんでしたが、もうちょっと女学園らしい華やいだ雰囲気を楽しみたかったなと。
いくら格式のあるお嬢様学校だって、女子高生たちの日常生活があんなに重いってことはないと思うんですけども。
もっとこう、キャピキャピというか、キャッキャウフフというか(キャッキャウフフはねえよ)、パヤパヤというか(パヤパヤもねえよ)。
生粋のマリみてファンとしては、まあ押さえておいてよかったという実感です。
他の人におすすめできるかというとまた話は別ですが。
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