「シャマル先生ー! お疲れさまです」
「今日は一段と元気ね、スバル」
「そりゃもう! だってあたしたち新人、揃って新しいデバイスを作ってもらったんですよ。もう嬉しくて嬉しくて…」
「それではしゃいでるのね。…スバルのデバイスは、何ていう名前だったかしら」
「はい、あたしのは――」
「ブリッツキャリバー…だっけ?」
「似てますけど、それはギン姉のデバイスです」
「…それともプリッツキャリバー?」
「いやいや、言い直したほうが間違ってますから。そんなポキポキ折れそうな弱いデバイスじゃないですよ」
「じゃあブリッコキャリバーで」
「『じゃあ』って! 『で』って何ですか…! そもそもギン姉とブリッコって単語が全然結びつかない!」
「ああ…マックスキャリバーだったかしら」
「それなんか特警だか特捜ロボだったかじゃなかったですっけ? ……まああたしも似たようなもんですけど」
「じゃなくてエクスキャリバー?」
「武器の種類からして違いますけど…」
「それともマッチョキャリバーとか」
「もう武器ですらなくなってません?! すごい肉体派な感じ!」
「あ、マッパキャリバーね」
「そうそう全裸で突撃――って違いますから! 薄い装甲をさらに薄くしたってレベルじゃないですよそれ! 一撃必倒どころか一発で逮捕されますって!」
「だったらあのバリアジャケットは何よ。もう最初から半裸じゃない」
「半裸とか言わないでくださいよ…。ああいうデザインなだけです」
「とか言って、リボルバーナックルをフル回転させると風圧で服が飛ぶのよね?」
「飛びません! そんなまいっちんぐ的機能とかついてませんから! …勝手にあたしを全裸キャラに仕立て上げようとしないでください!」
「あら失礼。……他の子のデバイスも、名前ちょっと思い出せないわね」
「嫌な予感しかしないので別に聞きたくないんですが…」
「ティアナのはたしか、クロス…ミラージュ騎士団?」
「途中で止めれば正解なのに…。もうまともに答える気ゼロでしょ?」
「それか、アルミラージュ…とかいなかったっけ?」
「そんな手探りで質問されてもー! たしかになんかモンスターっぽいけど!」
「もしくはタキシードミラージュ」
「――っていうか…。出てくる単語がいちいち昔の特撮とか漫画とかアニメとか…。歳バレますよシャマル先生?」
「次にキャロのデバイスだけど」
「ティアのはもういいんですか?! 何その投げっぱなしトーク!」
「キャロ…キャロ…、…キャロケイオン?」
「要するに全然覚えてないじゃないですか…」
「ていうか手袋でしょ?」
「そんな潔くぶっちゃけないでください!」
「それからエリオのは…これは自信あるわよ?」
「…それは正解する自信ですか? それともネタとしてですか?」
「もちろん正解よ。ズバリ……スケトーダラ!」
「シャマル先生に一瞬でも期待したあたしが間違ってたー!」
「でもこの『スケトーダラ』の文字を並べ替えると…?」
「えーっと……。…って、一文字余ってるから何にもならないじゃないですか! あたしのバカー!」
「そして…ストライク」
「…? ストライク…って、元ネタ何ですか?」
「そんなのないわよ。エリオは私的にストライク♪ ってこと」
「先生の趣味なんか知りませんよ!! ていうかエリオ逃げてー!」