[笑いの模擬戦 ザ・ドリームマッチ] エントリーNo.3 リインフォースⅡ×フェイト

「この二人で始めていくですよー! よろしくお願いするですぅ」
「頑張ろうね、リインフォース。…だけど緊張するよ、漫才なんて初めてだし」
「心配ご無用ですフェイトさん! 事前に決めた役――フェイトさんがボケで、わたしがツッコミですから、その通りに演じればバッチリですよ~」
「そっか。役を演じるって…お芝居みたいなものなんだね」
「そういうことです! それじゃあフェイトさん、早速ボケをどうぞっ♪」
「ん、わかった。何か面白いこと言えばいいんだっけ…。…り、リインの髪型って、その飛び出てるところがぴょこぴょこ動いて触角みたいだよね」
「アホ毛も知らないとか時代遅れにも程があるですぅ」
「え……」
「あなたは『私忙しいからテレビ見てないんだよね』ってちょっと自慢げに言うOLですか? 世間の流行から取り残されてるみじめさをもっと自覚するですぅ」
「あ、あの…ちょっと、リインフォース…?」
「…はい? どうかしたですか?」
「え…む、無意識なのかな? ……そ、そっか、アホ毛っていうんだ。そういうチャームポイントがあるからリインはみんなに人気なんだね」
「自分が一番人気のくせに上から目線やめろやうぜぇ」
「…………」
「…ですぅ!」
「いやいやいや…! 最後そんな『ですぅ』だけ言い忘れたからつけ足したみたいに…! そんなところでかわいさアピールしなくても!」
「天然でウケてる人にはわたしの苦労なんてわかりっこないですよ…」
「そ、そんなつもりで言ったんじゃ…。ていうか私天然って思われてたの?! ね…ねえ、どうしてさっきからひどいこと言うの……」
「ひどいことなんて言ってないですよ~? ただのツッコミですぅ」
「えっ? あ……ツッコミだったんだ…?」
「もちろんです♪ 毒舌もちゃんとしたネタですから」
「そ…それならいいんだけど。てっきり、リインが漫才にかこつけて私の悪口言ってるんじゃないかと…」
「そんなの誤解に決まってるじゃないですか~。お芝居ですよお芝居。フェイトさんは気にしないでどんどんボケまくってくださいですぅ!」
「う、うん…了解。それじゃ……変身するとき一瞬裸になるのは恥ずかしいよね」
「とか言って本当は見られて感じてるですよこの露出狂は」
「なのはなら、私の本当の気持ち受け入れてくれるかな…?」
「リアルでレズとかありえないですドン引きですぅ」
「実は私、執務官試験に二度落ちてるんだ」
「それで次はコネ使って裏口採用ですか? それとも何人の試験官に股開きました?」
「……。…っ」
「ん…? どうしたですかフェイトさん?」
「…ほ、本当にそれツッコミなんだよね……?」
「もちろんですぅ! 今ボケとツッコミが噛み合ってノリにノッてるですよ~」
「そ、そうなのかな…。…ううっ、ネタのためにここまで言われなくちゃいけないなんて…、お笑いってすごく大変なんだ……」
「…そんなわけないじゃないですか」
「え…?」
「そういうところが天然だって言ってるです…! 人を疑うことも知らないでまったく…いつまで純粋な乙女のつもりですかもう19ですよ歳考えやがれですぅ」
「ちょっ、本音がダダ漏れだよ?!」
「悔しかったらフェイトさんも言い返してみればいいですよー? …ツッコミにさらにツッコミで返すっていう芸風もアリですし?」
「それは……っ。…私にはできないよ、リインフォース」
「なっ、なんでですか?」
「たとえ漫才でも…、人の悪口なんて私には言えない。みんなを笑顔にするために他の誰かを傷つけるなんて――犠牲にするなんて間違ってる」
「はいーっ? なな何ですかこの空気?! 一体どうなってるですかっ?」
「…リインも。私のことは好きなだけ言っていいけど、他の人のことはバカにしないで。約束して…?」
「いえ、ですから…。……はっ! ひょ、ひょっとしてそのキャラも計算ですか? こんなときまで善人ぶって点数稼ぎしてるですねそうなんですね?!」
「……フフリ」
「やっぱりー! この女下着どころか腹までブラックですぅ!!」

« No.2 ヴィータ×ティアナ   No.4 スバル×シャマル »

ソーシャル/購読

X Threads note
RSS Feedly Inoreader

このブログを検索

コメント

ブログ アーカイブ