[なぞ] 2011/07/30

“「ノーコメントで」とコメントしている。”という言い回しにも似た違和感。

千載一遇のチャンスだったはずだった。
今まで誰とも手をつなぐことのなかったぼくの眼前を横切った、青春の淡い花びら。
けれど結局、それを掴むことはなくて。「足を伸ばす」ことはなくて。
わかっている。もう一歩が踏み出せないのは、ひとえに覚悟が足りないからだって。
なげうてるか。一つのものを得るために、他のすべてを。現実さえも?
とらばさみに片足を食われそうになって必死に逃げてきたような人間が何を言う。
気づいていたんだろ? ちょっと規模が大きいだけの内輪だったってだけのこと。
割って入ろうなんてそもそもおかしい。正攻法で立ち向かって、ばかを見るだけ。

透き通った水晶の中に封じた熱帯魚。その色は永遠に美しく。そんなふうに固めた理論。
常識が通用しない世界もある、とはわかっていたけれど。
こんな憂き目に遭うなんて。散らした言葉の切れ端が、死亡フラグになるなんて。
でも結局それは、かつてぼくがいた場所で。ぼくが立っていた立ち位置で。
全部ブーメランなんだ。自分がした批判を、同じように利用される。揚げ足を取られる。
それに。秘密を抱えて人を裏切っているのは一緒じゃないか。
メモ書き程度のレジュメが2週間分の余裕を生む、そんな甘い汁を啜ってきたくせに。
いまだに自分は特別だなんて愚かな妄想から抜けきれていない。

思い知らせてやりたい。牙なんて全部へし折って、何の変哲もないただのサルだと。
ちょっと油断するとすぐ勘違いをする。どれだけ自分を虐げても、他人を遠ざけても。
自ら必死に営業して回っている人間は、せいぜいその行動範囲しかテリトリーにならない。
でも、他のやり方なんて思いつかない。他の生き方なんて、とてもできない。
だから競うことをやめても、夢がないだの気力がないだの言われて。
つねに上昇志向を持てる人間だけじゃない。現状維持が精一杯の人だっていっぱいいるんだ。
そんな当たり前のことに気づくのに、どれだけの時間を要したんだろう。
あんなに憧れていた普通に、やっと一歩近づけたんだろうか。

もう絶対に人のせいにしない。全ての因果はこの身で受け止める。
「誰にもわかってもらえない」なんて単なる泣き言。説明する努力を怠っているだけ。
だから、ぼくはぼくのことを誰にも言わないかわりに、誰にも理解を求めない。
今日は充実していたかとか、今の人生は幸せかとか、語りあうような話題じゃない。
外見やうわべだけの印象が、世の中にとってのondという人物の全部で。
それ以外は知らなくていい。知る由もない。案外、裏の顔など存在しないのかもしれない。
どんなに損をしても、報われなくても、自分を偽りたくないと願い続けてきたから。
もしそれが今のぼくを形成しているとしたら、それは誇っていいのかな。

今日も一日が過ぎていく。何の出来事もない、という大事件に見舞われながら。

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