[なぞ] 2010/12/05

もしあのまま冬の時代を迎えていたらと思うと震える。

歌のない毎日。怖いのは、耳が無音に慣れきっていること。口が無言に慣れきっていること。
日々を彩るものは持っていたはずなんだ。人生を楽しむ方法なんて、何も考える必要なかった。
それがいつからか。だから怖い。「視力」が衰えてきている。意味を、見出せなくなっている。
置き去りにされるたび思う。仲のよいところを見せつけられるたび、思う。抱く権利もない憎悪。

自分はきっと恵まれているはずで。卑下する必要なんかなくて。それなのにささくれ立っている。
報われないと感じているのは、自分の身の丈に合わないものに手を伸ばしているからではないか。
平均点なんか目指さなくていいい。満足できることさえあれば。「幸せの沸点」が低いのだから。
もうどうせ、他人と価値観を共有なんかできないんだから。誰にも測れないぼくのバロメータ。

誰かが、誰かを。誰かの言葉や行動や、優しさが、別の誰かを励ましている。支えになっている。
それでいいんじゃないかと思った。思えるようになった。そうであってくれないと寂しいから。
たとえぼくの思いが、本来伝えたかった人に伝わらなかったとしても。手を差し伸べる人が他に。
それは単なる思い込み。不実に対する言い訳。勇気を出せなかった自分を、甘やかしているだけ。

自分のしたことが正しかったのかどうか。本当に自分でよかったのか。考えても答えは出なくて。
だから、後悔よりも結果を受け止めよう。するかしないか、その二択を選んだ結果なのだと。
一つだけ明確化したこと。それは一人じゃないんだという実感。誰かと一緒だから、怖くない。
それが「どきどきする」という気持ち。その場に居合わせることが「わくわくする」という気持ち。

もしこのまま冬を迎えたらと思うと別の意味で震える。

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