[なぞ] 2009/06/02

成果がすべてだと疑わなかったからこそ、努力を認められて嬉しかったのに。

自分がいない世界にばかり想像を働かせている。思いを、馳せている。
ある日ふと、ぼくが消えたら。いなくなったら。例えばそんな設定で。
世の中はどうなるのだろう。きっと大勢は何も変わらず、縷々と。
だけどきっと、少しだけ、ほんの一部だけ、淀みが祓われるはずなんだ。
その行く末をこの目で確かめられないことが、唯一残念なくらいで。
そして、現実にはそんなこと起こりはしない。「仮想現実」ならともかく。
この精神が生きていくのに、肉体とか存在はおそらく邪魔なんだろう。
だから早々に決めた。精神の方を殺してしまえばいいと。擦れた病巣など。

ともすれば奇跡という言葉さえ輝きを失い陳腐に聞こえかねない今日。
確かな実感として得ているのは、この身に脈々と流れ込む力。エネルギー。
誰もが言うだろう。一人で勝手にそう感じているだけだと。思い込みだと。
けれど、断じて綺麗事じゃない。人は一人で生きるなんて無理なんだ。
あの頃は本当に誰もいらないと思っていた。過去の自分への懺悔があるから。
期待に応えるより裏切ることの方がずっと多くて。そのたび自責に駆られて。
それでもなお、生きる勇気をくれる人たちへの感謝を表明しつづけなければ。
率直な気持ちを伝えるために言葉にすることを、決して恐れてはいけない。

今日もまた、自分の立ち位置に迷って。だからどこにもいられなくて。
ぼくがそこにいちゃ駄目なんだ。そこにいるのがぼくじゃ、駄目なんだ。
きみの好意や優しさに、惑ってしまうから。勘違いを、してしまうから。
人なら誰もが当たり前に経験するような感情をようやく知って、その瞬間、

何かひとつのことに没頭していられる時間なんて、もう不要と思っていた。
常にフリーでいる方が何事にも身軽に対応できる。機会損失を回避できると。
それなのに心は空虚で埋め尽くされていく。意味もなく時計に何度も目をやる。
歌のない日は、寂しくて。そんな感覚がまだ残っていることに、はっとして。
焼けるような喉の渇きも、血走った眼球の疼きも、きっと切実な体の反応。
そのとき気づく。まだ終わりじゃない。目指すべき道を、見失っちゃいない。
できるできないじゃない。見放されかけた今からでも、間に合うだろうか。
死に花を咲かそうなどとは願わない。ただ、ありったけをぶつけるんだ。

それなのに、なんであんな試すようなこと。

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