[こころ] おすすめ

告白のときの緊張感を知った、今さらの思春期。

自分の好きなものを人に薦めるということが、どうしてもできません。
相手が関心なかったり、合わなかったらどうしようという心配がまず先に来てしまいます。
もちろんそこは薦める相手を選べばいいんですが、そうすると逆にもう知っているだとか、
むしろ自分より造詣が深かったりしたらこちらの知識をつっこまれやしないか、なんていう
危機感にさいなまれたり。細かいことばかり気にして、つい引っ込み事案になりがちです。
逆の立場だったら、相手にそんなふうに思うことは全然ないのに。不思議なものです。

気後れの根底にあるのは、自分がそのことを他の人に説明できるほど熟知しているのか、
あるいは本当に好きなのか、愛着を持っているか、という疑問に対する自信のなさです。
事実、かじった程度の知識しかなかったり、うわべしか見ていないこともよくあります。
それだけで好きと言えるのか。ましてや人に公言したりしていいのか。いつも不安です。
また、あることを好きなこと自体を変に思われないか、という懸念を抱くときもあります。

とある宴席で俳句や短歌に興味があることを打ち明けたんですが、世間的にはそこまで
マイナーなジャンルってわけじゃないのに妙に気恥ずかしい思いをしたのを覚えています。
そっち方面の趣味にしたって、好きなマンガやアニメのタイトルひとつ挙げるのにだって
躊躇するくらい臆病です。そんなの見てるのかよ、とつっこまれないかビクビクです。

自分がそんな調子ですから、好きなことについて堂々と語れる人をうらやましく思います。
そういう人の話は、たとえ興味のある分野でなくても、聞いているだけで楽しくなります。
それはきっと、夢中になって話している気持ちやわくわく感が伝わってくるからでしょう。
また、それだけ話題の引き出しを多く持っているということですから、話し上手に見えます。
これが好きだ、と胸を張って言えるようになることが、人の魅力につながるんだと思います。
願わくば、ぼくもそういうものを一つでも持って、そして誰かにおすすめできるように。

« こころ

ソーシャル/購読

X Threads note
RSS Feedly Inoreader

このブログを検索

コメント

ブログ アーカイブ