[こころ] かず2

 先の「かず」のおまけと思ってください。そのわりにはこっちのほうが長いんですが。
 すきな数ってあると思うんです。自分の身の回りにあるものだったり、あるいはなにか思い入れや思い出がともなうものだったり。自分の誕生日、産まれたときの体重、入学試験の受験番号、ボウリングのハイスコア、まあなんでも考えられるでしょう。
 私の場合、自然数よりも分数、有理数よりも無理数がすきだったりするのでなんともつかみどころがないんですが。1/7とか√2とか。規則的にせよ不規則にせよ、小数点以下どこまでも延々とつづいていくのがいいのですよ。…やはり感覚ずれてますか。もはや変態の領域ですか。そうですか。
 そんな私でも(?)まっとうな数がひとつ印象にのこっていたりします。それは13です。高校の部活動で着ていたランニングシャツの番号です。ある日、チームでおそろいの練習着を購入することになりました。紺と白の2色セットで4からの通し番号がついているものです。番号がついているのは練習試合のときにidentifyできるようにってのと、あとはこうチーム内の一体感みたいなのを意識したんでしょうか。それで、だれがどの番号のをもらうかは決まっていなくて、自由に選んでいいということだったので、さっそくぜんぶ床にならべてせーので取りあうことにしました。有名なNBAプレイヤーと同じ背番号のはやはり人気があって、みんなジャンケンで決めたりしていました。
 さて予想どおり出遅れた私は、おとなしく目の前に取り残されたそれを手に取りました。人とかちあいたくなかったっていう気の弱さがありありと表れていますがそれはさておき。ほかのだれもが目もくれなかった13でした。もちろん私もその番号がすきだったわけではありません。なんとなく不吉だから避けたい、という気持ちが薄かっただけです。ただ今考えると、思い入れのある数だからではなく、思い入れがなかったからこそ選びたかったのかもしれません。
 バスケット部のことは過去にも書いていますが、けして得意ではなく練習についていくのがやっとで、やめようと思うこともありました。そんな中でチームメイトとおそろいのシャツっていうのはうれしかったし、そのシャツをきて練習する自分にすこしでも誇りをもちたいっていう目標にもなりました。13という番号に、たくさんの汗といっしょに、私がすごした時間や感じた気持ちをしみこませていけるように。記憶を託していける数となるように。
 あのときの思いがかなって、今ほんとうによかったです。

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