[こころ] こうはい

 先輩風びゅーびゅー、とはいかなくて。
 あたらしい年度になりますと職場や学校に新人が入ってきます。迎え入れる立場の人にとっては後輩ということになるでしょうか。私はそういう関係、年下の人にていねいに接せられるのが苦手でして。
 そもそも先輩後輩という概念に私はあまり納得してないんですけれど、人と人の関係は基本は対等だと思いますし。とか言うわりに目上の人にへこへこするのはちっとも苦になりません。後輩は苦手なのに。よく考えるとこれは「己の欲せざるところを人に施す」なわけで、ひどく自己矛盾というか単なるわがままなんですけれど。
 そのへんの言いわけとして、どうも私は下っ端というポジションが性に合っているようです。仕事をどんどん投げて黙々とやらせるのが効率的な私の使いかた。先の「おっさん」でも触れましたが、人の下にいるという状態が立場的に心地よかったりします。いえそっちの意味じゃなくて。…さて。それから、どうやら集団全体を見る視力はあるらしいんですけれども、なにぶん気が弱くて人に指示を出せない。ひとりで抱えちゃうタイプでしょうか。だから大学のクラブで委員長をやったこともありましたけど、あれは私の性質からいってひどく不向きなことをしていたわけで。きっと自分が何かやらなきゃって気持ちが強すぎたんだと思います。結果としてたくさん迷惑をかけたし、今さらと思われるかもしれないけど反省しています。
 さて話を戻しますと、先輩っていうのは後輩の見本にならなくちゃいけないわけで。つまり私にとっては自信のなさがそういう関係をためらわせているのかもしれません。今はたまたま入った時期がちがうから先輩後輩という立場にあるけれども、能力にちがいがあるわけでもないですから、こちらが教わることだって多いだろうし追い越されるのもきっと時間の問題。とあらば自分が目上の人間として見られたり話しかけられたりするのはちょっと気がひけるのですよ。そんな気をつかってくれなくていいっていうか、なんだか申しわけないっていうか。
 ただ、そういう人の存在がスパイスになることも事実です。ただ幅をきかすんじゃなくて、そのグループの一員として、あるいは先輩として自分はどうあるべきかっていう自覚を再確認するという意味でも。後輩と向きあっているこちらのほうが萎縮してたんじゃどうにもなりませんから。一方が他方に何かするっていう一方通行の間柄ではなく、おたがいに刺激しあって学びあっていけるのが理想の関係かな、と思います。

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