[こころ] かいだん

 いちばん上に何があると思う?
 階段はどこにでもあります。エレベーターやエスカレーターもたくさんありますが、階段でフロアを移動することももちろんたくさんあります。毎日、どれくらい上ったり下りたりするでしょうか。どれくらいのスピードで、あるいは1段とばしで、何気なく踏み越えているその建造物、あるいは地形も、あらためて見つめてみるといろんな発見があります。
 私は、階段が好きです。そんなものに好き嫌いがあること自体おかしいかもしれませんが。中学校の理科の授業で位置エネルギーについて学びました。物体を高い位置に移動させれば位置エネルギーが増加する、というものです。人間の体もりっぱな物体ですから、階段を上がれば自分という物体のエネルギーが増加し、下りれば減少します、とか言いながらなぜか階段を駆け上がるタイムをはかる実験をした記憶があります。自分の中のエネルギー、見えないんだけれどそういう何かが内在する、なんだか不思議な気分になりました。そしてその見えない何かを引き出すカギが階段なのです。
 もうひとつ、子供のころからさまざまな場所の階段の、段数をかぞえることをよくやっていました。学校の階段が夜中になると13段になるなんて怪談話もありましたが(いえシャレじゃありませんよ)、いざかぞえてみると、どれもバラバラなんですよね。学校や公共施設ですと踊り場があって、ひとつのフロアを移動するのに2回上り下りするパターンの階段が多いですが、それぞれの段数はどうなっていると思いますか。ふたつの段数が同じものもあれば、ちがうものもあります。偶数+偶数、偶数+奇数、奇数+奇数、どのパターンもありました。規則性があるようでないようで、どれも同じようでちがうようで。たまにかぞえてみると、それだけで新しいものを見つけた気分になれます。
 …ですが、らせん階段をかぞえたのは今回がはじめてでした。

« こころ

ソーシャル/購読

X Threads note
RSS Feedly Inoreader

このブログを検索

コメント

ブログ アーカイブ