「こんにちは！ 高町ヴィヴィオです！」
「はやてです～。どうぞよろしゅう」
「ねーねー、八神ぶたいちょー。ヴィヴィオこのあいだね、なのはママとピクニックに行ったのー」
「そうかー、よかったなぁ。どや、なんかいいことでもあったん？」
「はい！ すぐに雨がふったから、家に帰っておべんとう食べました♪」
「…？ はあっ？」
「……ぶたいちょー！ つっこみですよ、ここでつっこみ…！」
「いや…。っちゅうか、今のどこがボケやねん。なんややる気なくすわ……」
「え……」
「だいたい…今回のドリームマッチ、どう考えても私のコンビが優勝候補やったやん。っていうか私以外にお笑いできる人なんかおらんし！ それやのに……、何のハンデかわからんけどこんなおこちゃまと組まされて」
「そ、そんな……。ヴィヴィオもまんざいがんばるから…！」
「ハッ――。こんなしけた漫才、園児のおゆうぎと変わらんわ…！ なあ、これなんなん？ 何のイジメ？ 私に恥かかしてどうするつもりや？！」
「……こそ…、…つもり……」
「ん？」
「――八神部隊長こそどういうつもりですかッッ！」
「なんやーっ？！ いきなり聖王覚醒？」
「部隊長が子ども扱いするから……耳がでっかくなっちゃった！」
「いや耳どころか全身でかいっちゅーねん！ …胸なんか一瞬にして逆転されてもうたわ！ これ何のイジメー？！」
「ねえ、わたしが相方だったら不満なの？ 優勝候補…？ ハンデ…？ でもそんなの関係ねぇ！」
「ちょ、ちょお落ち着きぃ！ なんかパクっとる、パクっとるし…！」
「そんなの関係ねぇ！ そんなの関係ねぇ！ そんなの関係ねぇ！」
「パンチにいちいち電撃付与せんでええから…！ そんな危険な芸人見たことないわ！ …あぶなっ、危ないってホンマに！」
「はい、バリアブレイク♪」
「ぜんぜん音楽と合ってへんー！ ださっ！」
「返して！ ヴィヴィオのボケを返してっ！」
「んなもん返せるかーっ！ わけわからんでホンマ！」
「こうなったら……部隊長ボケてください！ わたしが全力でツッコミますから…！ 本場のドツキ漫才を見せてやれば優勝間違いなしっ！」
「いやいやいや…！ ドツキて…なにそんな戦闘態勢で拳構えとんのや！ なんや魔法陣も出とうし……そんなツッコミくらったら死ぬ！ 死んでまうー！」
「八神部隊長……、ちょっとだけ痛いの我慢できる？」
「それヴィヴィオのセリフとちゃうし！ あかんあかんあかん、無理やて無理…！」
「はぁ…、情けない。ここがナニワのド根性の見せどころなのに」
「くっ…たしかにここでボケな芸人の名が泣く……ってその手に乗るかいっ！ 私を挑発しよう思てもそうはいかんで…？」
「そうですか。――ところで部隊長、今の二人の服装は？」
「もちろん水着です♪ …って、しもた！！」
「ボケきたっ！ ……このウソつきがああああぁーーっ！」
笑いの模擬戦 ザ・ドリームマッチ――。
魔法の不正使用および負傷者の発生により中止！！
（おわり）
