[なのはSS] ユーノ危機一髪!(貞操が)

「お、お待たせ……二人とも」
「おっそーい! 女の子をいつまで待たせる気よっ」
「まあまあ。それよりも……なのはちゃんには内緒で来てくれた?」
「うん。今日のことは言ってないし、気づかれてもいないはず。それで……、話って?」
「あんたね……。話って? じゃないわよ。心当たりぐらいあるでしょ」
「そう言われても……。あ、話は全部なのはたちから教えてもらったんだよね」
「うん、みんなが魔法使いだったなんてもうびっくり。でも、一番びっくりだったのは……」
「あんたよ、あ・ん・た」
「僕……?」
「もうっ、まだわかんないの? ユーノ、あんたが人間の男の子だったってことよ!」
「そんなこと言ったって……、これが元の姿なんだけど。最初深い傷を負ってたから変身する必要があったし、それに、この世界じゃ魔法や僕のような存在が知られてなくて」
「……その辺の事情も聞いてるわよ、なのはから」
「そ、そうなんだアリサ。だから、正体を隠してなのはのペットとして振る舞おうってことに……」
「うんうん。ユーノくん、ちゃんとフェレットさんだったもんね~」
「けど、ちょっと図に乗りすぎじゃなかった? 人がペットだと思い込んでるのをいいことに、いろいろやってくれたじゃない……?」
「い……いろいろって?」
「一から言ってあげないとわかんない? ひざの上で寝転がったり、顔じゅうペロペロなめたり、髪の毛の匂いかいだり、服の中まで入ってきたり! 乙女の体を散々もてあそんだじゃないの!」
「あと、足元から見上げられたり、胸タッチとかも……。くすっ、ユーノくんったら積極的……♪」
「す、すずかまで……。誤解を招く表現はやめてよ」
「おまけに! 一回口と口でキキキキキスまでしちゃったんだからっ! あたしのファーストどうしてくれんのよ? 責任取ってよね!」
「いや責任って……」
「……何? 反省の言葉一つもないわけ? あれだけ好き放題やらかしておいて」
「だから違うって……! 確かに過剰だったかもしれないけど、それはアリサたちがなのはの親友だからで、なのはに迷惑かけないためにも仲良くならなくちゃって必死で……」
「それじゃあ……仕方なく演技してたんだ……?」
「うん、まあ……」
「……本当は!?」
「ごめんなさい嘘ですノリノリでやってましたー」
「あっさり認めちゃった!」
「ふん、そんなことだろうと思ったわ……。でもね、あれはまだスキンシップの範囲だからいいの」
「ってことはまだ何か……?」
「ユーノくん……温泉忘れてない?」
「あ!!」
「やっと思い出すとはね……。他のことは許せても、あたしあのことだけは許せない! 変身したまま女湯に潜り込むなんて、完ペキに犯罪よ犯罪!」
「わわっ、落ち着いてアリサ! ちがっ、誤解だって、あれはなのはが有無を言わさず……」
「いちいちなのはのせいにすんなー!」
「ひゃぁ!」
「男の子なら自重するとか、なんでできなかったのよ! このバカネズミ!」
「うん……私も後で知って恥ずかしかったな……。裸を見られちゃったんだし」
「そうよ、裸よ裸! あんなところもこんなところも全部……! ……わかってるわねユーノ、この罪はきっちり償ってもらうんだから……!」
「そんな無茶苦茶な……! というか償うって何させる気?」
「警戒しないでいいよ。アリサちゃんはいろいろ言ってるけど……、男の子だもん、女の子に興味あるのは別に悪いことじゃないと思う」
「いや、こんなときにそんなフォローされても……」
「でも……それは女の子も同じなんだよ?」
「? それってどういう……?」
「つまりね、ユーノくんが私たちにしたこと、お返しに私たちにもさせてほしいな……って」
「えっ? えーっ?」
「……そーゆーこと。それでおあいこにしてあげるって言ってるの。悪くない話でしょ」
「そんな……い、嫌だよ。恥ずかしいし」
「あーら、拒否権なんかあると思ってんの? ね、すずか?」
「うんっ。もし断るならフェレットさんになってもらって……うちの猫ちゃんたちの餌にしちゃうから♪」
「えええっ! ……ひょっとしてすずかの方が鬼?」
「さあ、どうなのユーノ? やるの? やらないの?」
「だから拒否権はないんでしょ……。わ、わかったよ……、それで二人の気が済むなら」
「うむ! 聞き分けがよくて大変よろしい。それじゃ早速……えいっ!」
「むぐっ!」
「わぁ、アリサちゃん大胆……!」
「んふ……んっ……」
「……ん……ぐ」
「……ぷはーっ。……はい終了ー!」
「はあはあ……。い、いきなりだったから窒息するかと思ったよ。でもどうして……」
「それは……ほら、ファーストキスの相手が動物だなんて思い出として寂しいじゃない? だからちゃんと男の子と……って! これはただの仕返しで! 変な意味なんかないんだから!」
「わ、わかったよ……そんな怒らなくても」
「ま、正確にはあたしの最初はすずかとだけどねー」
「あははは……♪ 女の子同士は数に入らないんじゃないかな」
「ホントはなのはも狙ってるんだけどさ……。あの子さりげにかわすから」
「そうそう、ガード固いよね~。今はフェイトちゃんと二人の世界、って感じだし」
「すずかはまだいいじゃない。はやてとは続いてるんでしょ?」
「あ、あの……キミたちってそういう……?」
「男子禁制の話に首つっこまなくていーの。……それじゃ次、交代」
「私の番だね。どうしようかな……ユーノくんの髪、触ってもいい?」
「えっ、別にいいけど」
「わーい。うん、やっぱりきれい……。つやもあるし、こんなにサラサラ」
「そうかな? 一族みんな同じ髪質だから気づかな……って顔近くない? ちょっ、くすぐったいよ、首筋に息がかかって」
「だめだよ、じっとしてなくちゃ。……くんくん。ちょっとだけフェレットさんの匂い……かな」
「ははーん……なるほど、これはこれで羞恥心をあおるわね」
「それって目的変わってない? ね、ねえ……もう終わりにしてよ」
「ん……。それじゃあ最後に……がぶっ」
「ギャーッ! 耳! 耳噛んでる!」
「情けないわね、でかい声出して……甘噛みでしょ? 犬とかがよくする」
「わかるけど……うあっ! ちょっと痛い……けど、こ、これは……なんか変な感覚……」
「はむはむ……ぺろっ。……うふふ、おしまい」
「うう、ひどいよ……僕は一度も噛んだことなんてないのに」
「……ユーノくんの耳かわいかったから、つい♪」
「ついって……。はあ、ともかくやっと解放される……」
「ん? 何言ってんの? お楽しみはこれからでしょうが」
「次はお待ちかね……観察ターイム!」
「観察って何をー?」
「もうわかってんでしょ……? ほらユーノ、ちゃっちゃと脱ぐ」
「しかもいきなり!?」
「いきなりも何も……あんたの見せてくれないとあいこにならないし」
「そ、そんなこと言っても心の準備とか……。やっぱりちょっと待ってよ……」
「もう……じれったいわね、意気地ないんだから。もういいわ……すずか、体押さえて」
「えい!」
「いつの間に背後に! わっ、ちょっと離して……」
「はいはい、大人しく観念なさい。あたしが特別に手伝ってあげる……えーと……」
「や、やめてよアリサ、というか変なとこ触らないで、そこじゃなくて……あうっ!」
「んふふふ……ユーノくんって人間のときも抱き心地いいんだね。ふかふか~」
「そ、それを言うならすずかの体だって……って違う! 体押しつけすぎ……」
「あれれ、照れてるの? 耳まで赤くして。また食べちゃお……ぱくっ」
「また噛まれたー! ま、まずいって……それ以上は、頭がどうにかなりそう……」
「よし……、あとはこれを下ろせばいよいよ……ご開帳……!」
「だ、だめっ! やっぱり見せられないよそれだけはーーー!」
「! きゃっ! まぶしい……!」
「何これ!? 体が光って……!?」
「……。……えっ? あれ、ユーノくんがいない?」
「……キュ、キューッ」
「あーっ! こいつ勝手にフェレットに変身してる!」
「ご、ごめん……、これ以上は耐えられそうにないから……退散っ!」
「こらっ、逃げんな! 待ちなさーい!」
「あはは……あとちょっとだったのにね。残念」

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