[あずま様がみてる] 耳・口・王

こども高校生

聖「ごきげんよう皆さん。今日は新しい仲間を紹介しまーす。福沢祐巳ちゃんです」
祐巳「ふ、福沢祐巳です。よろしくお願いします」
聖「あっはっはっ。いいノリだ。やっぱり祐巳ちゃんは面白い」
祥子「ちょっと祐巳、そんな冗談にいちいち乗るのはお止めなさい」
祐巳「へっ? これって冗談だったんですか?」
祥子「白薔薇さまも白薔薇さまです。祐巳は私の妹としてここに迎えたはずなのに、どうして白薔薇さまが勝手に紹介なさるんですか。だいたい今日は学園祭の反省会を……」
聖「まーまーさっちゃん、かたい事言うなよー」
祥子「さっちゃんって呼ばないでくださいませんか?!」
聖「だってギンナン王子も呼んでたじゃん」
蓉子「ギンナンって、あの花寺の生徒会長のことね」
江利子「あの大暴露には驚いたわ。まさか、祥子と柏木さんの間にあんな関係があったなんて」
蓉子「祥子の男嫌いにかこつけて仕向けた配役だったのに、思いもよらないおまけがついていたんですもの。傑作だわ」
江利子「本当に。ああ、思い出しただけでまた吹き出しちゃいそう」
祥子「くわーー!! ムチャクチャはらたつー!」
聖「というわけで、お姉さんたちに楯突いても無駄だから大人しく引き下がりなさい、さっちゃん♪」
祥子「ですからどうして愛称なんですか……」
聖「じゃあ……私の事もシュガセイって呼んでいいよ?」
祥子「だーかーらー!」
由乃「(そのネタは時間的に未来のはずなんだけど……つっこんだ方がいいのかな……)」
聖「うるさいのは放っておいて続けるわよ。えーと、祐巳ちゃんは精神年齢10歳だけど、とーっても可愛いから山百合会に迎え入れました」
祐巳「えへへ……か、可愛いだなんて」
蓉子「祐巳ちゃん? あなたバカにされているのよ? ……もしかして気づいていないのかしら」
江利子「だから精神年齢10歳なんじゃないの?」
蓉子「それもそうね。祥子ったら、いつも私たちに弄ばれているからって、あんな頭の緩い子を妹にして日頃のストレスをぶつけようとしているんだわ」
江利子「自分勝手よね。だけど祐巳ちゃんは祥子の信奉者だから、そうとも気づかずについて行ってしまうのね……可哀想に」
祥子「今度は何なんですか、人の妹掴まえてああだこうだと。ロザリオは渡したのだから文句ないでしょう?」
聖「はいそこー、私語は慎む。さっさと座って」
祥子「まだ続けるおつもりですか。まったくいつまでこんな茶番……反省会する時間がなくなりましてよ」
江利子「いいのいいの。今日の司会は白薔薇さまに一任してあるから」
蓉子「反省会は名目。あなたがやっと祐巳ちゃんをものにしたんですもの、もう少しサービスしてもらわなくちゃ」
祥子「私をはめやがりましたねお姉さま方?!」
蓉子「そういうこと。祥子は本当にいじり甲斐があるわ。それじゃ聖、引き続き進行よろしく」
聖「はいよ。というわけで、そんな祥子の妹になった祐巳ちゃんですが、受けオーラ出まくっているからっていじめないで下さいねー」
祥子「……(←もはや言い返す気力もない)」
蓉子「えー」
江利子「えー」
由乃「えー」
聖「はいみんなブーブー言わない……って、由乃ちゃんも?!」
由乃「だって白薔薇さま。祐巳さんは一学年に一人いるかいないかの真性マゾ、祥子さまだけのものにしておくには惜しいですわ。是非とも薔薇の館の共有財産にしましょう!」
聖「……外見に似合わず言うことすごいね」
江利子「でも由乃ちゃん、あなただって一人囲っているじゃない」
令「由乃~~」
由乃「はいはいお姉さま、家に帰ったらちゃんとかまって差し上げますから」
蓉子「ず、随分と手慣れたものだこと」
聖「それからもうひとつ注意があります。祐巳ちゃんのこと、悶え狂うほど可愛いからって襲わないで下さいねー」
一同「(いや、誰もそこまで思っていないっていうか、むしろ白薔薇さまに襲われなきゃいいけど……。ていうかすでに肩抱いてるし……)」
祐巳「えへへ……か、可愛いだなんて」

白き花びら

蓉子「祥子。もう二学期に入ったことだし、早く妹を作ってくれないかしら」
祥子「……それでしたら、まず白薔薇さまにおっしゃるべきではないんですか」
聖「相変わらず言うこときついわね。言っておくけどそんなつもりはないわ。私に妹なんて……。結構一人でも生きていけるものよ」
祥子「役に立たねえー」
蓉子「去年の夏は一人じゃなかったのにねえ」
聖「……!!」
一同「……」
聖「……」

マニフェスト

聖「他人事じゃないよ。来年は祐巳ちゃんたちの番なんだからね、立ち合い演説会」
祐巳「そういえばすっかり忘れていました」
聖「駄目だよそんなことじゃ。しっかり考えておかなくちゃ」
祐巳「あの、じゃあ白薔薇さまはどうされたんですか」
聖「私? 全校生徒の前で『女子高生とか好きだから!』って言ったけど?」
祐巳「こんな生徒会長見たことねえっていうか、あんた勇者だよ!」

宣戦布告

 体育祭当日――。
聖「あんたの組には負けないわよ!」
江利子「うちだって負けないわよ」
聖「うちの組には令がいるのよ。あいつすごいらしいじゃない?」
江利子「あら、うちにも一人すごいのいるわよ」
聖「なっ? ヒキョーだぞ!」
江利子「なんでだよ。……ほらあの子」
 江利子が指差した先には、心臓のあたりを押さえてうずくまっている由乃(手術前)。
聖「そりゃあ……別の意味ですごいけどさあ……」

卒業しちゃっていいよ

聖「ゆみすけぇ! あんた私の事レズだと思ってるでしょ!」
祐巳「? ?」
聖「……正解。祐巳ちゃん愛してるー(ガバーッ)」
祐巳「ギャーッ! おーかーさーれーるー!」

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