おもてなしのガラパゴス化

2015/08/16

シモかよ!

クトゥルフ神話の入門書読んでる。ごきげんよう。

ホテルに泊まると誰々が清掃したっていう書き置きあるじゃないですか。
そんな情報知りたいとも思わないし、なんでいちいち残してるんだろうと
気になっていたんですが…、クレームが入ったときの犯人捜しをする用の
ものだと知って暗澹たる気持ちにさせられました。
従業員個人に責任を押しつけるなんてブラックそのものだし、それ以上に
宿泊施設という場所はモンスター客のすくつなのだと思い知ったというか。

このことを考えるきっかけになった別の話を最近聞きまして、京都とかで
現在、観光客の増加の影響でホテルの清掃員が不足しているそうです。
景気のいい話じゃないかと思いきや実態はそうではなく、掃除の完璧さの
点で求められるレベルが非常に高く、誰にでも務まる仕事じゃなくなって
いるというのです。
もちろん簡単な仕事だとは思っていませんが、それでもそれだけ厳しいと
いうのは客のクレームが度を越していることを物語っている気がします。

冷静に考えてみてください。一晩泊まってほぼ寝るだけの部屋ですよ?
ちり一つ落ちていない清掃やしわ一つついていないベッドメークが本当に
必要ですか。
ぼくなんかはあのぴしっと張られたシーツがむしろ苦手で、どこに体を
入れていいかわからないし、それに寝てたらどうせしわくちゃになるじゃ
ないですか。寝相悪いかどうかに関係なく。
…ってなんで寝相悪いとか知ってるんですか! のび太さんのエッチ!
(おまえが自分で言ったんだろ! 誰も興味ねえよこの自意識過剰が)
しかも有料チャンネルの番組表で想像ふくらませて使用済みティッシュ
捨てて帰っていつも申し訳ないなと思ってるのにー。<もう帰れ!!



まあぼくの旅の恥のかき捨てっぷりはさておき…、宿泊施設に限らず
クレーマーの根底にあるのは間違った“お客様は神様”の考え方です。
なぜ金を払ったくらいで自分のほうが偉いと思えるのか。
なんか、金があれば人に威張れるという発想自体がいやしいですよね。
明治時代の成金、教科書にあった「どうだ明くなつたろう」の絵から
頭の中が何も変わっていないと言わざるをえません。

実際、ホテルでもクレームつけるのはもっぱら日本人の客ばかりで、
外国人旅行者からはほとんど苦情がないという話を耳にします。
日本はお・も・て・な・しを売りに海外に発信しようとしていますが、
あれはもてなす側が自発的にというか自然に生まれる気持ちであって、
けして客のほうから浅ましく要求するものではありません。
クレーマーとの闘いの中で鍛えられた武装かのような過剰サービスは
むしろ日本の恥で、とても世界に誇れるものではないと感じます。

ソーシャル/購読

このブログを検索

コメント

ブログ アーカイブ