私が選ばなかった未来

2003/09/11

むかしのひび

……。(←黙祷) あの忌まわしいできごとから早2年がすぎました。ショッキングな報道は瞬時に各地を震撼させ多くの人に悲しみと憤りをもたらしました。私たちが味わった不信感、そして不安の度合いは計りしれません。見た目はいつもとなんら変わらない日常生活を送っていても、突如としてあのような不幸に見舞われることがある。やり場のない怒りとやりきれなさを誰もが強く感じたことでしょう。時の政府も即座に対策をほどこしましたが、それですべてが終わったわけではありません。またいつ同じようなことが起こるかわからない。目先の防止策だけではなく、本当に解決しなければならない問題はもっと根本にあるのです。そう、その事件も長年にわたって鬱積されてきたものがたまたま噴出するかたちで顔を出した氷山の一角にすぎないのですから。
また、経済にも多大な影響を与えたことはこの2年間の低調ぶりからおのずとうかがえます。国内でも、東証平均株価がちょうどその時期を境に一万円の大台を割りこみました。ただでさえバブル崩壊後の不況が長く尾を引き好転材料も見当たらなかった当時、この一件が沈滞する空気に拍車をかける結果となりました。国民の消費は落ちこみ、先行きに対する不透明感、いえここははっきりと悲観視と言わせてもらいますが、まさに坂を転がり落ちるように日本経済は混迷をきわめていきました。奇しくもその最たる要因となったことは認めざるを得ないでしょう。
私たちにできること、それはあの惨たんたる記憶を胸にとどめておくことです。どんな凶悪な犯罪も、悲惨な事件も、時間とともにしだいに忘れられていくのが常ではあるのかもしれません。しかし、それではいけないのです。過ちを教訓とし、同じ事態をふたたび起こさぬようにすること、それが伝えられるべき世代のために課される私たちの責務なのだと思います。子どもたちに心からの笑顔を呼び戻すために。そして、これからも暮らしの中で安心して牛肉が食べられるように

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