恋人稼業はやめられない

2003/04/09

むかしのひび

感動の再会。さっきお客さんがやって来たんですよ。家にいたらピンポーンって鳴りまして、そういやこの部屋チャイムなんてついてたんだっけと今さらのように思い出したりしましたがそんな場合でなくって。そのときちょうど歯をみがいていた私はドアの向こうの人に「むぐー」という情けない応答しかできなくて、とりあえず手短に口をゆすいで出てみたわけですよ。まあ先に書いてしまえば新聞の勧誘だったんだけれども、あれ?って思ったの。この人なんか見覚えあるの。見覚えどころか玄関先でこんにちはっていうシチュエーションさえ私の胸の中をリフレインなの。ふたつの時間がタイムパラドックスなの。<わけわかんねえよ はいちょっと暴走してしまいましたが、っていうかこの人ちょうど一年前も勧誘に来たじゃん、とまあそういうことでして。しかもあちらさんもこちらを見て思い出したらしく、そういや去年も来たねえとか、二年目どうよ?とか言ってくるわけですよ。どうよって言われても。これはそんなそつない世間話から入って話をなじませようってお決まりの話術だと思うのですが、そのとき私なにを考えてたかっていうとですね、笑わないでね? すげー懐かしかったの。それはもうバラ珍の世界というか、おじいちゃん!生きてたんだね!(超失礼)みたいな心境ですよこれ。しかも私の弱点であるところの気さくで明るいおっさんなものですから、ついメロメロ(死語)っときちゃって玄関開けっぱで立ち話まっしぐら。
「いやあ懐かしいですね。ごぶさたしてます」
「でしょ? 一年待ったんだから今年こそ取ってよ」
「それより元気でした? どこも景気悪いじゃないですか」
「物騒な事件も多いしな。だから新聞チェックせなあかんよ」
「おじさんも夜遅くまでお仕事(勧誘)たいへんですね」
「なら人助けのつもりで取ってよ。3か月無料にしとくし」
…なんなんですかこれは私は夢を見ているのですかそれとも今宵あの星のもとにあらたな漫才コンビが誕生したんですかっていうかそれより3か月無料ってADSLじゃないんだから。<おちつけ でもなんかこう、おたがい手ごたえを感じたっぽかったというか、私はようやく生涯の伴侶心通える相方に出会えたような気持ちになりました。で、その日はなんとかお引き取りねがったのですが、もし来年また同じ人がうちに来たらまちがいなく勢いで契約してしまいそうでこわいです。それまでにコンビ名考えときます?!

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