Zweisuhr

2002/11/15

むかしのひび

今週はひまでした。いえけして会社からひまを出されたという意味ではありませんが(なに?)、なんかこう形而上的に。やることもあまりないし、あっても身が入らないし、ずいぶんと密度のうすい時間ばかりをすごしているような気がします。こうして家にいるとよけいそう感じます。単身だしテレビも観ないし電話もほとんどしないので静かです。職場でも猫をかぶって無口ですし、私はいつしゃべったり笑ったりしてるんだろうって自分のことなのに気になってしまうときがあります。だから惰性でホーム㌻をつづけてみたりして、なにかを探そうとしているのかもしれません。それもけして積極的なものではなくて。趣味もないわけではないし書きたいこともあるのに、遊びあきた子どものようにぽいぽいと投げ出してしまう。そんなそんな冷たい感情が自分の中にはあったのかもしれません。もちろん楽しいことを求めつづけてはいるつもりです。いいことやうれしい気分で満たされていなければ生きていけないことを知りました。それなのに、ううん、それだから。なにかを手に入れたがるいっぽうで、怖れたり慎重になったりしています。失うことや傷つくことに臆病になって。光があればかならず影が生まれ、光が強ければ強いほどはっきりと暗く色濃く現れてきます。影に飲みこまれるのがこわくて光を浴びられずにいるような気がして、でも本当はのどから手が出るほど欲していて。それ以上に、そういうものを享受することをこばむ気持ちが今ははたらいているのかもしれません。私はこの日々を楽しむことを許されているのでしょうか。しあわせを追い求める権利があるのでしょうか。空の温度とくすみ具合に比例するように日に日に殺伐としていく無味乾燥な毎日、そして心。大気の下で、私だけがこうしてなにも知らないかのように、自分の置かれた立場から目をそらして生きようとしているその悪態ぶりが許せなくなることがあります。笑顔を作ることさえ不謹慎であるかのような気がして。この気分はたとえ一時的なものでも、いずれ楽しい時間に身を置くことになろうとも、そのときの私はきっと心から笑うことはないのだと思います。世界は急激に熱を失っていきます。同調することなく、取り残されることなく、私は私を何度もきらってさげすんで、疲弊させていきます。

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